Microsoftが先日公開したWindows 11の月例更新プログラムKB5041585では、IPv6を使用している場合にリモートコードが実行される可能性があるTCP/IPの重大なバグ「CVE-2024-38063」が修正されています。
MicrosoftはKB5041585を即座にインストールするか、IPv6アクセスを無効化するようにWindowsユーザーに呼びかけていますが、KB5041585がインストールできないといった問題や、インストール後にPCのパフォーマンスが低下したという問題が報告されているようです(Windows Latest)。
Feedback Hubであるユーザーは、次のようにこの問題を説明しています。
KB5041585 keeps failing every time I try to update. I have tried clearing cache, stopping/starting update service and manual download and install, but nothing seems to work
KB5041585は、アップデートを試みるたびに失敗し続けます。キャッシュのクリア、アップデートサービスの停止/開始、手動でのダウンロードとインストールを試しましたが、うまくいきません。
ただし、インストールに関する問題はそれほど大規模に発生しているわけではなく、Microsoft Update Catalogからスタンドアロンの更新プログラムをダウンロードすることで、インストールに成功する場合もあるようです。
KB5041585インストール後にPCパフォーマンスが低下？
KB5041585が正常にインストールできた場合でも、PCの速度が遅くなったなど、パフォーマンスが低下する問題を訴えているユーザーが存在します。
KB5041585 and KB5042099 in yesterday’s updates are now causing memory errors on a high powered workstation with 64GB of RAM, 10 GB of graphics memory and a 10GB system page file
昨日のアップデートに含まれるKB5041585とKB5042099が、64GBのRAM、10GBのグラフィック・メモリ、10GBのシステム・ページ・ファイルを搭載した高性能ワークステーションでメモリ・エラーを引き起こしている。
他のユーザーは、PCの反応速度が遅くなり、アプリのサウンドがまったく聞こえなくなったと主張しています。PCが遅くなるだけでなくCPUが常に100%になり、タイムアウトが頻発するようになったというユーザーもいるようです。
IPv6 CVE-2024-38063パッチが原因だと考えられるパフォーマンスの問題を解決するには、IPv6を完全に無効化し、KB5041585をアンインストールする方法が有効です。
手順は以下の通りです。
- 管理者権限のPowerShellで以下を実行。
Set-ItemProperty -Path HKLM:\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip6\Parameters -Name "DisabledComponents" -Value 0xFF -Type DWord
- IpV6が無効化されたかを以下のPowerShellコマンドで確認。
Get-ItemProperty -Path HKLM:\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip6\Parameters\
- PCを再起動する。
- Windows Updateの更新履歴からKB5041585をアンインストールする。
ただし、KB5041585をアンインストールすることで、更新プログラムに含まれる多数の修正やセキュリティアップデートが無効化されてしまうため、実行するのはやむを得ない場合に限定することをおすすめします。
KB5041585ではその他、アンチトートシステムVanguardが「A driver cannot load on this device」(このデバイスにドライバをロードできません)というエラーで動作しない可能性があることが確認されています。
