AppleのM2 MacBook Airは、発売した直後からオーバーヒートやサーマルスロットリングが大きな話題となりました。通常使用ではほとんど発生しないものの、長時間にわたるベンチマークや重い作業を実行すると、冷却のためにシステムのパフォーマンスが抑制されてしまうという問題です。
この問題に対し、13ドル程度のサーマルパッドを内部に設置することで、冷却効率を改善し、パフォーマンスの低下を防ぐ「Thermal Mod」と呼ばれる改造方法が存在する事が知られています。
9to5Macは今回、この改造方法の具体的な手順や動画、考えなければならないリスクなどを詳しく紹介しています。
改造は簡単だが非推奨
Thermal Modの改造自体はとても簡単で、M2 MacBook Airの裏蓋を外し、適切な厚みのサーマルパッドを設置し、元に戻すだけです。
MacBook Airの裏蓋の固定にはペンタローブネジ(星形のネジ)が使われているため、専用のドライバを使用する必要があります。サーマルパッドは1.5mm〜1mm厚保程度のものを使い、画像の位置にサイズを合わせてカットし、リボンケーブルの下に貼り付けます。
9to5Macは、確かにこの改造によってパフォーマンスが向上することが確認できたものの、MacBook Airの保証が無効になる可能性があり、内部パーツの破損、サーマルモジュールの余分な熱伝導によるSSDやバッテリーの劣化など、さまざまなデメリットが存在するため、改造を推奨しないとしています。
Webブラウジングや、文書編集、動画の再生だけなら標準状態で十分で、さらにパワーを必要とするユーザーは、14インチMacBook Proなど、アクティブ冷却機能を備えたより高機能なデバイスを選ぶべきだと指摘しています。
それでも改造したい場合は、自己責任で行い、実験や遊びの範囲に留めておくようにと警告しています。