最近のノートPCは高性能化がすすんでおり、デスクで作業する際も外付けモニターに接続してメインPCとして使っている方は多いかもしれません。
しかし今回、開発者/UTデザイナーののブラッド・タウント氏は「Why I Stopped Using an External Monitor(外付けモニターを使わなくなった理由)」と題したブログ記事を公開し、最近ThinkPadを外付けモニターに接続しなくなった理由を説明しています。
同氏は従来、ThinkPad X260をLenovoの公式ドックを介して27インチのUHDモニターに接続して使っていたそうです。しかし、ウィンドウマネージャーをdwmに切り替えたところ、小さな不満を感じるようになります。dwmのタイルモードは大きなモニターに最も最適化されたものではなく、画面が大きすぎて、画面の端にあるコンテンツが一目で見づらくなってしまったからです。
さらに大きな理由は、UX/UIフロントエンドデザイナーとしての日々の仕事にあり、大画面のモニターを使うことによってよって、大くのユーザーが経験する制約を忘れてしまいがちになると説明しています。
BrowserStackがStatcounter経由で行った2022年の調査では、ユーザーが使用しているデスクトップ画面の解像度の上位2位は以下のようになっているそうです。
- 1920×1080(9.94%)
- 1366×768(6.22%)
同氏はUHD 4Kモニターを使い、大画面でインターフェイスを開発していたものの、エンドユーザーの大部分はその「ピクセルパーフェクト」なデザインの恩恵を受けることができないことに気がつきます。
これらの理由から、外付けモニターを廃止することにし、移行によって以下のようなメリットがあったとリストアップしています。
- ノートパソコンのドッキングを解除して、モバイルで仕事をすることになっても、「コンテキストスイッチ」を気にする必要がなくなった。デスクトップ体験はそのまま。
- dwmの中で作業することで、よりクリーンな体験ができる(ほとんどの場合、単一のアプリケーションを自分の限られた"タグ"の中で操作している)。
- 新機能を開発したり、既存のUIに手を加えたりする際に、日常的なユーザーの不満を即座に理解することができるようになった。正当なユースケースを使ってエンドユーザーを擁護することができるのは非常に有益。
同氏はUHDモニターを維持し、画面の一部を使って作業することができるものの、1366×768のパネルを実際に使用することで、ぼんやりとしたテキスト、少しぼやけた画像、淡いボタンの影など、実際のエンドユーザーの環境を自分で体験することができるとしています。極端かもしれないが自分にはあっていると結論づけています。
Hacker Newsにはユーザーと同じ環境を使うことで、開発効率が低下する恐れがあるという反対意見や、普段からノートPCだけを使って作業を行っているため興味深いという開発者からのコメントが書き込まれています。