2024年後半にWindows 11の後継版であるWindows 12のリリースが期待されているなか、このWindows 12によってPCの世界では、x86からArmへの大転換が発生する可能性があるとPC Gamerは予想しています。
この記事によると、Microsoftは、Snapdragon X Eliteを途別にサポートする「Germanium(ゲルマニウム)」と呼ばれる新しいWindowsビルドの開発に取り組んでいるとのこと。Microsoftの現在のArm版WindowsはSnapdragon X Eliteに対応できていないと言われており、Germaniumの完成が待たれています。
Germaniumは4月に登場し、Snapdragon X Eliteを搭載したノートPCが6月に登場し、2024年前半にArmを搭載したPCがどうなるかの感触がつかめるとみられています。
現在PCではArm CPUアーキテクチャは主流ではありません。10年ほど前、Armは低消費電力アプリケーションにしか適していないといわれていましたが、Appleの独自チップ(AおよびMシリーズチップ)によってそれが間違いだと証明されました。Appleシリコンは従来のx86 PCプロセッサよりもクロックサイクルあたりの性能が大幅に向上しているのです
Qualcommが、互換性のあるWindowsビルドにArmハードウェアを提供する独占ライセンス契約を結んでおり、これもPCのArmへの移行が遅れている原因になっていると考えられていますが、この契約は来年期限切れとなり参入障壁がなくなります。NvidiaやAMDは独自のArm CPUに取り組んでいて、競争の発生によってWindows用のArmチップの開発が促進されていくと予想されます。
ソフトウェア面では、Arm版Windowsの課題はレガシーx86コードのサポートとなります。移行段階では古いx86ソフトウェアのサポートが重要となりますが、これまでのところパフォーマンスと安定性はそれほど優れておらず、特に負荷の高いソフトウェアでは不安定な状態となっています。またドライバーのサポートという厄介な問題も残されています。
現在、AppleシリコンはワットあたりのパフォーマンスでPCプロセッサを圧倒しており、Armプロセッサの採用で、どこまで挽回できるのかWindows陣営の力が試されることになるかもしれません。