普段からMacを使っている方は、Safariの方がChromeよりもバッテリーに優しいと、なんとなく思っているかもしれません。
SafariはAppleが開発したMac専用ブラウザで、シンプルですっきりとした印象があるのに対し、ChromeはRAMを大量に消費するとの批判が以前からあり、バッテリーに厳しいイメージがあるからです。
今回この情報が正しいのかどうか、BirchtreeのMatt Birchler氏が、36時間にわたるテストを行い実際に確認しています。
テスト環境
テストに使われたテストデバイスは、M2 Proプロセッサーと16GB RAMを搭載した14インチのMacBook Proです。Chrome 128とSafari 17.6というそれぞれのブラウザの安定版を使い、実際の使用状況をシミュレートすマクロをKeyboard Maestroを使って作成します。
20分で実行されるマクロの内容は以下の通りです:
- YouTubeの動画を開き10分間見る。
- Mastodonを開いて4分間スクロールする。
- 9to5Macを開き、2分間スクロールする。
- New Yorkerの記事を開いて2分間スクロールする。
- Googleドキュメントを開いて2分間入力する。
YouTubeの動画は終了したら閉じるものの、他のタブは開いたままになり、各テストの終了時には、ブラウザウィンドウにかなりの数のタブが残った状態となります。
マクロは、動画の視聴、ソーシャルメディアの閲覧、作業、記事の閲覧など、普段行う作業をシミュレートしたもので、9回ループさせ、3時間のブラウジングセッションとします。
ディスプレイの明るさを30%に設定し、3時間のテストを6回行い、合計36時間分のデータが確認されました。
テスト結果
テスト結果にはばらつきがあり、最初のテストではSafariの方がChromeよりも10%バッテリーの消費が少なくなります。しかし、2回目のテストではChromeの方がSafariよりも14%バッテリーの消費が少なく、それ以降もChromeの方がバッテリーの消費が少ないという結果が確認されます。
まとめると、Safariは平均18.67%バッテリーを消費し、Chromeは平均17.33%のバッテリーを消費するという結果になりました。
イメージとは異なりChromeの方がSafariより9%バッテリーの消耗が少なく、Chromeの方がSafariよりもバッテリーに優しいという当初のイメージとは逆の結果がでています。
Matt Birchler氏は、Chromeが世界で最もバッテリーを食うという神話はもう捨てた方が良いようだが、1時間に0.5%ほど違うだけなので、ブラウザを乗り換えるほどの差はないと、まとめています。
この結果に対し、Hacker Newsでは、YouTubeやGoogleドキュメントといった、Chromeに最適化されている可能性のあるWebサイトをテストに使用するのはフェアではないとの指摘が行われています。全てのユーザーを納得させることができるテストの難しさが浮き彫りとなっています。