IEEE Spectrumが発表した2025年版プログラミング言語ランキングでは、Pythonが「Spectrum」および「Jobs」両方のカテゴリで1位を獲得ました。SQLやJavaも上位を維持する一方で、JavaScriptは昨年の3位から6位へと急落しています。
IEEE Spectrum/Trending/Jobsのランキングは次の通りです:
順位 | Spectrum | Trending | Jobs |
---|---|---|---|
1位 | Python | Python | Python |
2位 | Java | Java | SQL |
3位 | C++ | C++ | Java |
4位 | SQL | C | JavaScript |
5位 | C# | C# | TypeScript |
AIの台頭により、開発者はStack ExchangeやGitHubなどの公開フォーラムではなく、ChatGPTやClaudeなどのLLMとの非公開チャットを利用する傾向にあります。特にStack Exchangeの質問数は前年比で78%減で、ランキングの指標となる「公開シグナル」が少なくなることで、人気の測定が困難になっています。AIアシスタントの普及により、言語ごとの質問自体が減少しているのです。
言語の「人気」が意味を失う未来
LLMは複数言語でのコード生成が可能なため、開発者は言語の選択にこだわる必要性が少なくなりつつあります。一方、新しい言語は、AIが学習するための十分なデータが不足し、普及しづらくなる可能性があります。「人気言語」が固定化され、新言語の台頭が難しくなる"凍結効果"が懸念されています。
プログラマーの役割はどう変わる?
プログラマーの役割は、将来的には、ソースコードを書くのではなく「プロンプトを調整してソフトウェアを生成する」スタイルが主流になる可能性があります。アルゴリズム選定やアーキテクチャ設計など、抽象的な思考力が重要になり、コーディングブートキャンプよりも、コンピューターサイエンスの基礎を学ぶ大学教育の価値が再評価されることも予想されます。
AIによって「どの言語が人気か」よりも「どんな問題をどう解決するか」が重視される時代が到来しています。ランキングが開発文化の変化を映す鏡であることに代わりはありませんが、プログラミング言語の人気の定義そのものが再構築される時期が到来しているのかもしれません。