Microsoftは先日、Windows 11の機能アップデート「Windows 11 Version 25H2」の提供を開始しました。25H2は派手なUI変更や劇的な新機能こそないものの、過去1年間開発が進められてきた改善点を正式に有効化する"仕上げ"のアップデートで、Microsoftはこの更新を「より洗練され、安全で、賢いWindows体験」だと位置づけています。
25H2には、Copilot+ PC向けのAI機能の改良を中心に、操作性・共有・セキュリティ・設定など多方面にわたる改善が含まれています。以下、公式サイトの説明をもとに、主な新機能をカテゴリ別に紹介します。
Copilot+ PC向けの新機能
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Recall:過去の作業履歴をAIが記憶・検索。アプリやファイルの利用履歴を時系列で振り返れる機能。フィルタとナビゲーションの改善により、Recallの管理と使用がより容易になった。
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Click to Do:Copilotが文脈に応じて次のアクションを提案し、ワンクリックで実行可能
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強化されたWindows Search:自然言語での検索に対応し、文脈理解が向上
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カスタマイズ可能なCopilotショートカット:キーボード操作でCopilotを呼び出す方法を自由に設定可能
UI・UXの改善
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タスクバーの強化:アイコンサイズ調整、秒表示付き時計、ライブステータス表示などが追加
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ファイルインデックス進捗表示:インデックス作業中の進捗がリアルタイムで確認可能
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Snapの改善:Snap BarやSnapメニューでの操作時に、インラインのヒントやショートカットガイドが表示
ウィジェットとDiscoverフィード
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複数ダッシュボード対応:ウィジェット画面を複数構成でき、用途別に切り替え可能
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ロック画面のカスタマイズ:ロック画面にウィジェットや情報カードを表示可能
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Discoverフィードの刷新:Copilotがキュレーションしたニュースやストーリーを表示。動画・画像・要約も統合
ファイル操作と共有
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Microsoft 365ビュー:ファイルエクスプローラーでMicrosoft 365のコンテンツを整理表示
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Android共有強化:Androidデバイスとのファイル共有がよりスムーズに
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Windows Shareの強化:画像編集、Webコンテンツのプレビュー、圧縮レベル選択が可能
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コンテキストメニューのカスタマイズ:右クリックメニューを自分好みに編集可能
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Live Persona Cards:Entra IDでサインインすると、ファイル共有時に相手の情報が表示される
設定と移行支援
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設定ホーム画面の刷新:システム情報やFAQがカード形式で表示され、視認性が向上
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AIモデル使用管理:サードパーティアプリによるAIモデルの使用を制御可能
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PC移行アプリ:Windows Backupと連携し、ファイル・設定の移行が簡単に。新しいペアリング画面も追加
セキュリティと認証
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Windows Resiliency Initiative:起動トラブル時にWinREが自動修復を実行。再起動画面も読みやすく刷新
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Windows Helloの刷新:パスキー認証のUIが一新。複数の認証方法を簡単に切り替え可能
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Windows Shareのセキュリティ強化:共有前に画像編集、圧縮、Webプレビューが可能。ドラッグ&ドロップで提案アプリに直接送信も
まとめ
Windows 11 25H2ではAI関連の機能が強化されたほか、日常的な操作性や共有体験を高めるためのさまざまな改善が行われています。特にCopilot+ PCを使っているユーザーにとっては、AIが日常の作業を支援する新しいスタイルが本格化する節目となるのかもしれません。