Appleが公開した8分間の広告フィルム「The Underdogs: BSOD(Blue Screen of Death)」が話題を呼んでいます(Windows Latest)。
動画の舞台はスタートアップ企業が参加する展示会「Container Con」。Macを使うチームが大口顧客との商談に挑む中、Windows PCが次々とクラッシュし、会場が"青く染まる"という演出で、Windows 11の信頼性を揶揄しています。
CrowdStrikeの2024年の障害(空港などでPCが大量クラッシュし社会問題に)を暗に示唆したもので、Appleは「Mac don’t panic(Macはパニックにならない)」というキャッチコピーでmacOSの安定性とセキュリティを強調しているのです。
Appleの主張する:macOS vs Windows
Appleは広告内で、macOSのセキュリティ設計がWindowsより優れていると主張しています:
- macOSは「Endpoint Security API」を使い、アプリにカーネルレベルのアクセスを許可しない。
- Windowsはオープン性が高く、サードパーティ製アプリに多くの自由を与えているが、それがリスクにもなり得る。
Appleの広告は巧妙で印象的ですが、技術的な背景を省略している部分もあります。CrowdStrikeの障害は厳密にはMicrosoftの責任ではなく、Windowsのオープン性には利点もあります。Macが向いている人もいれば、Windowsの柔軟性を必要とするユーザーもいるでしょう。
また、Microsoftも改善を進めており、2025年にはウイルス対策ソフトをカーネル外に移す新API「Windows Endpoint Security Platform」を導入しています。これには、BSODのリスクを減らし、信頼性を高める狙いがあります。
編集後記
今回の広告は、macOSのセキュリティ設計(カーネルアクセス制限)の利点を強調し、Windowsのオープン性をリスクとして描いています。ただし広告は演出を含んでおり、技術的な優劣を断言するのは難しいといえます。AppleとMicrosoftの間では、何十年も前から「お互いをちょっと茶化す」広告合戦が繰り広げられてきていることを忘れてはなりません。