
Lua 5.4から5年、軽量で組み込み用途に強いスクリプト言語「Lua」に待望の新バージョンLua 5.5が登場しました(Phoronix)。今回のアップデートは、言語仕様の改善からメモリ効率の向上、ガベージコレクションの刷新まで、さまざまな改良が含まれます。
まず、言語使用の改善では、グローバル変数の宣言が必須になりました。これまで曖昧になりがちだったグローバル変数の扱いに明確な宣言が導入され、スクリプトの安全性と可読性が向上します。
また、大規模な配列を扱う際のメモリ使用量が大幅に削減されています。最大60%のメモリ削減は、組み込み環境やメモリ制約のあるアプリケーションにとって大きなメリットとなります。
ガベージコレクション(GC)の改善も行われれ、新しい世代別GCモードの導入や、major GCのインクリメンタルな実行機能により、よりスムーズで予測しやすいメモリ管理が可能になります。
その他以下のような変更が行われています:
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for ループ変数が読み取り専用に
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浮動小数点数が正確に読み戻せる形式で出力されるように
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コンストラクタのネストレベル増加
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table.createの追加 -
utf8.offsetが文字の最終位置も返すように -
外部メモリを使う “external strings” に対応
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新関数
luaL_openselectedlibs/luaL_makeseed -
lua.cがreadlineを動的ロード -
バイナリチャンク読み込み時に元のメモリを再利用できる “static binaries”
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dump/undump がすべての文字列を再利用
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補助バッファが最終文字列生成時に再利用される
まとめ
Lua 5.5 は派手さこそないものの、「軽量で高速」「組み込みに強い」という Lua の強みをさらに磨き上げるアップデートとなっています。特にメモリ効率とGCの改善は、ゲーム開発、IoT、組み込みスクリプトなど、Lua が多用される領域で確実に恩恵があると見込まれています。
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タイトル | Lua |
|---|---|---|
| 公式サイト | https://lua.org/ | |
| ソフトアンテナ | https://softantenna.com/softwares/2101-lua | |
| 説明 | アプリケーションの拡張に使用する事ができる軽量プログラミング言語。 |

