
Windows 11のデザイン刷新が進む中、MicrosoftのWindows部門でデザインを統括するDiego Baca氏が、「なぜWindowsはすべての人を満足させられないのか」について興味深い見解を示しました。
きっかけとなったのは、最近Microsoftが発表した、新しいWindows検索に対するユーザーのコメントです。
新しいWindows検索の機能では、例えば「ダークモード」と検索することで、設定画面を開かなくてもオン・オフの切り替えが可能になります。あるユーザーは「検索機能がここまで進化するなら、もうスタートメニューは不要なのではないか」と主張したのです。
@ChrisPirillo That’s one of the biggest challenges of designing an OS for over 1 billion people. Everyone has different preferences and workflows. Our goal is to improve performance and quality while offering more customization, so people can use Windows in ways that work best for them.
— Diego Baca (@bacadd) October 10, 2026
しかしBaca氏は、「10億人以上が利用するOSを設計する最大の課題は、人それぞれ好みも作業スタイルも違うことだ」とし、Microsoftの目標が、性能や品質を改善しながらカスタマイズ性を高め、それぞれのユーザーが自分に合った使い方を選べるようにすることだと説明しました。
スタートメニューを巡る「理想」と「現実」
実際のところ、スタートメニューの利用状況はユーザーによって大きく異なります。タスクバーやPowerToysのCommand Paletteなどを活用しているユーザーにとっては、スタートメニューの利用頻度は以前より減っているかもしれません。とはいえ、それだけでスタートメニューそのものを不要と判断することはできません。
Windowsのような巨大プラットフォームでは、一部のユーザーにとって不要な機能でも、別のユーザーには欠かせない機能であるケースが珍しくないからです。今回の発言は、Microsoftがこうした多様な利用スタイルを前提に設計を行っていることを改めて示しています。
不評だった「おすすめ」機能も、Microsoftには理由があった
例えば、スタートメニューの「おすすめ」セクションについて、多くのユーザーは不要だと感じており、Feedback Hubでも否定的な意見が目立っていました。しかしMicrosoftの調査チームは、この機能を高く評価していたといいます。
Microsoftの考え方では、「おすすめ」はユーザーの一日をより効率的に進めるための仕組みでした。たとえば前日に見逃した会議録画を朝に表示したり、よく使うアプリをいつもの時間帯に提示したり、作業再開に必要なスナップグループを表示したりと、利用状況や行動パターンに合わせて必要な情報を先回りして提供することが狙いでした。
こうした便利さを歓迎する人もいれば、余計な情報が増えるだけと感じる人もいます。まさにBaca氏が語る「ユーザーごとの違い」を象徴する例といえるでしょう。
まとめ
今回のBaca氏の発言から見えてくるのは、Windowsの理想形は一つではないという現実です。スタートメニューが必要な人もいれば、検索だけで十分な人もいます。「おすすめ」機能を歓迎する人もいれば、不要だと感じる人もいます。
10億人規模のユーザーを抱えるWindowsでは、すべての人を満足させる単一のデザインを作ることは不可能です。Microsoftは機能を削るのではなく選択肢を増やし、ユーザーごとに最適な環境を作れる方向へ舵を切ろうとしているようです。今回の発言は、その設計思想を端的に表したものと言えるでしょう。
[via Windows Latest]
