昨年12月31日大晦日の日に、Rubyインタプリタのテストツール「RubySpec」が突然開発終了を宣言したことが話題となっています(Hacker News、Reddit)。
RubySpecの開発者Brian Shirai氏はブログ記事「Matz's Ruby Developers Don't Use RubySpec and It's Hurting Ruby」にてプロジェクトが終了する理由を説明。2014年12月25日にリリースされたRuby 2.2.0がRubySpecのテストをパスせず、そればかりか深刻なエラーであるセグメンテーションフォールトで異常終了すると指摘し、これはMRI (いわゆる本家Ruby)の開発者がRubySpecを使ってテストすれば容易に避けられることだとしています。
さらに、これまでの過去のバージョン1.9.3、2.0.0、2.1.0のリリースでもMRI開発者がRubySpecを使ってこなかったことに言及し、努力が報われないためにRubySpecの開発を終了すると宣言しています。ブログではRubyインタプリタで使われている「標準テスト」と比較してRubySpecがいかに優れいているか技術的な理由もリストアップされていますので気になる方は確認してみてください。
なぜRubySpecが使われないのかRuby開発チームでなければ詳細は分かりませんが、RubySpecが元々Rubiniusのためのサブプロジェクトだったので、MRI側では使いにくい面があったのかもしれません。RubySpecに関しては過去、まつもとゆきひろ氏が「日本からRubySpecへの貢献が少ない」ので「RubyConfでBrian Fordに盛大にDisられてきました」と発言し軋轢を匂わせています(?)。またこの論争に関するまとめもすでに公開されています。こちらも合わせて読むと理解が深まるかもしれません。