Microsoftは先日、Windows 10 Insider Preview Build 18917 (20H1)を公開し、Windows Subsystem for Linuxの新バージョン「WSL 2」が利用可能になったことを発表しました。
WSL 2はボトルネックのI/O速度が改良されているとされ、開発者の期待を集めているなか、実際のパフォーマンスをテストした初期のベンチマーク結果がPhoronixにより公開されています。
Phoronixが実施したベンチマークはオープンソースのPhoronix Test Suiteを用い、WSL 1とWSL 2で、Ubuntu 18.04 LTSのパフォーマンスを比べるもので、比較対象としてベアメタルのUbuntu 18.04.2 LTSとClear Linux 29920のスコアも掲載されています。
ベンチマークは多くの項目をテストするもので、テストによっては相反する結果がでているものもありますが、大体のところI/Oパフォーマンスは改良されているものの、CPUのパフォーマンスが劣化している模様。
▲例えばI/OベンチマークのFS-MarkではWSL 2はWSL 1よりかなり良いパフォーマンスを発揮している事がわかります(上の場合長いほど良いスコア)。
▲対して圧縮やエンコードなどCPU重視のベンチマークではWSL 2がWSL 1より劣ったスコアになることが多いようです(上の場合短いほど良いスコア)。
PhoronixはWSL 2がWSL 1を悩ましていたI/Oボトルネックの問題に対処しようとしていると知って非常にエキサイトしたものの、テストの結果CPUパフォーマンスが悪くなっていることがわかり、残念に思っていると伝えています。
WSL 2はテスト用の公開が始まった開発の初期段階なので、今後チューニングが進みCPU関連のパフォーマンスが改良されることを期待したいと思います。