AppleのSwiftチームが、FoundationフレームワークをSwiftで書き直す作業を行っている事が注目を集めています(Hacker News)。新しいFoundationによりObjective-CとSwift間の変換コストが無くなり、パフォーマンスが大幅に改善することが期待されています。
GitHubリポジトリの説明によると、Foundationは、数値、データ、コレクション、日付などの基本的な型や、タスク管理、ファイルシステムへのアクセスなど、多くのアプリケーションで有用な機能のベースレイヤーを提供します。
現在作業は初期段階で、実装されていない機能も多く存在します。2023年前半の目標は、コアAPIの改良や、ユニットテスト、パフォーマンステストのスイートの追加、プラットフォームの拡大で、これにはswift-corelibs-foundationからのコードの援用が含まれます。
2023年後半も移植の取り組みが継続し、URL、Bundle、FileManager、FileHandle、Process、SortDescriptor、SortComparator な重要なFoundation APIのSwift実装が追加される予定です。
Swiftで書かれた新しい実装は、CとObjective-Cで書かれた以前のバージョンと比較するとパフォーマンスの大幅な向上が見込まれています。Locale、TimeZone、Calendarなどは桁外れに高速化され、日付計算やFormatStyleを使用した日付の書式設定などでパフォーマンスが大幅に改善されています。
またJSONデコードも改善され、JSONDecoderとJSONEncoderの全く新しいSwift実装により、コストのかかるラウンドトリップの排除や、パフォーマンスの向上が実現しています。
まだ作業は進行中ですが、Swiftを利用している開発者の方にとっては注目のニュースといえそうです。