Googleは3月7日(現地時間)、「A new speed milestone for Chrome(Chromeの新たなスピードマイルストーン)」と題したブログ記事を公開し、macOS版のChromeが、ブラウザの応答性を評価するSpeedometerベンチマークで300以上のスコアを獲得したことを発表しました。
Googleはブログの記事で、Chromeを「最速のブラウザ」にするために過去数カ月間に行った技術的な改善点について説明し、さまざまな改良の結果、最新版であるChromeのM99リリースで、すべての主要プラットフォームでブラウザの速度を「大幅に」向上させることができたと述べています。Mac版Chromeでは、AppleのSpeedometerブラウザ応答性ベンチマークにおいて、これまでで最高のスコアである300を達成したとのことです。
Chrome M99では、コードベースのスピードが重要な部分をインライン化するビルド最適化手法であるThinLTOを有効にすることで、現在のSafariと比較して7%の高速化を実現しています。グラフィックスの最適化(パススルーデコーダーとアウトオブプロセスラスタライゼーション)と組み合わせて、テストでは、ChromeのグラフィックスパフォーマンスはSafariよりも15%高速化されたそうです。
Building on many performance changes over the last year, we enabled ThinLTO in M99, a build optimization technique that prioritizes code focused on browser speed. The result? An additional across-the-board speed bump that makes Chrome 7 percent faster than Safari.
また最近のChromeの高速化に大きく貢献したものとして、V8 Sparkplugコンパイラと短いビルトインコールの2つが挙げられます。Sparkplugは、V8用の新しいmid-tier JavaScriptコンパイラで、コンパイルのオーバーヘッドを押さえて効率的なコードを生成します。短いビルトインコールは、V8 JavaScriptエンジンが、生成されたコードのデバイスメモリ内の配置を最適化するために使用されています。関数を呼び出す際の間接的なジャンプを回避することでパフォーマンスを向上させ、Apple M1ベースのMacで大きな違いを生み出しているとのことです。
この結果、2020年後半にリリースされたM1 Mac向けのChromeでは、最適化によって15ヶ月で43パーセントもの高速化が実演したとのこと。同社は今後も Chromeの性能を押し上げる 「革新的な機能」に投資していくとしています。