コンテナ型の仮想化ソフト「Docker」。開発環境の構築だけではなく、本番環境でも利用可能な仮想化技術として近年注目を集めていますが、少なくとも2017年はDockerにとって順風満帆の年とはいえなかったのかもしれません。
現在「Docker Inc is Dead(Docker Incは死んだ)」という過激なタイトルのブログ記事が注目を集めています(翻訳版、Reddit。当初のタイトルは「Docker is Dead」でした)。
ブログの著者のベテランエンジニアChris Short氏は、ソフトウェアとしてのDocker自体の素晴らしさはみとめつつも、Docker Swarmと競合するKubernetesに対する扱いや、Dockerのオープンソース部分のMobyへの名称変更など、Docker Incの意志決定の拙さやリーダーシップの欠如を指摘しています。
KubernetesはDockerのオープンソースコミュニティの中で人気の高いオーケストレーションツールでしたが、当初はDocker Swarmのみが公式サポートされ、2017年10月に開催されたDockerCon EU 2017で発表されるまで、公式サポートは行われていませんでした。
Dockerの上流としてDockerCon 2017で突如アナウンスされたMobyの存在も、突然の名称の変更によりコミュニティに大きな混乱をもたらしていると説明しています。
同氏はDocker Incが「出口戦略」を模索している可能性があるとし、OracleやMicrosoftによる買収の可能性も示唆しています。
ソフトウェアとしてのDockerが突然なくなることは無さそうですが、動きの速いコンテナ技術の中で、Dockerの立ち位置がどう変わっていくのか2018年は興味深い年となりそうです。