GNU Gzipを開発するJim Meyering氏は4月10日、GNU Gzipの最新版v1.14をリリースしました(アナウンス、Phoronix)。Gzip 1.14は2年の歳月をかけて開発された新バージョンで、バグフィックスやいくつかの小規模な変更が行われています。
ユーザーにとって最大の注目は「gzip -d」のパフォーマンスが大幅に改善されたことです。特にPCLMULをサポートしているx86_64 CPUでは最大40%高速化し、PCLMULのサポートがない古いCPUでも約20%の速度向上が確認されています。
Gipzの解凍処理ではCRC(巡回冗長検査)の計算が大きな負荷となっていましたが、新しいバージョンでは、gnulibの新しいCRCモジュールを導入し、PCLMULを活用することでより効率的なCRC計算が実現しています。
PCLMUL(PCLMULQDQ)は、Carry-less Multiplication(キャリーなし乗算)を行うためのx86命令セットの一部です。IntelとAMDのプロセッサで使用されており、特に暗号処理やCRC計算の高速化に役立ちます。Intelでは2010年のWestmereから、AMDも2011年Bulldozerからサポートされており、多くのシステムで高速化の恩恵を受けることができそうです。