Appleは5月30日、日本のデジタル庁と協力し、来春の後半からAppleウォレットでマイナンバーカードを利用できるよう準備を進めていることを明らかにしました(Newsroom)。
この機能によって、日本のユーザーは、iPhoneのAppleウォレットにマイナンバーカードを追加し、物理的なカードと同じようにコンビニエンスストアで公的な証明書等を発行したり、「マイナポータル」iOSアプリにアクセスしてオンラインの行政サービスを受けることができるようになります。
身分証明書を提示する場合、利用者は、ウォレットを開いて自分のマイナンバーカードを選択し、iPhoneのサイドボタンをダブルクリックしてFace IDまたはTouch IDで認証し、非接触IDカードリーダーに自分のiPhoneをかざします。利用場面によっては、カードリーダーでの読み取りの際に追加の認証ステップが必要になる場合があるとのことです。
物理的なマイナンバーカードが利用できる場所で、Appleウォレットに搭載したマイナンバーカードを利用することができ、これには病院や医療機関、コンビニエンスストアが含まれ、日本政府のマイナポータルiOSアプリでも使用することができます。
Appleのティム・クック最高経営責任者と岸田文雄首相は、2022年後半にクック氏が日本を訪問した際、マイナンバーカードの統合について話し合いました。当時、クックCEOはマイナンバーカードのプライバシーやセキュリティに懸念を抱いていると述べましたが、正式発表によりその懸念は払拭されたことになります。
なお、Appleの公式ドキュメント「IDs in Apple Wallet: privacy and security overview」によると、AppleウォレットのID機能は、米国では運転免許証または州IDを格納するために利用されていて、社会保障番号(SSN)を格納するためには利用されていない模様です。セキュリティとプライバシーに関する問題が本当に解決されているのかMacRumorsのコメント欄でも議論が行われています。