Linux 6.19で消えた「d_genocide」関数

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Linuxカーネルの次期バージョン6.19に向けたコード更新で、以前から問題視されていた関数d_genocide()が削除されたことがわかりました(Phoronix)。この関数は2023年に導入され、ディレクトリエントリ(dentry)とその子孫を一括で破棄する役割を担っていました。

d_genocide()はファイルシステムのアンマウント前に「不要なディレクトリエントリをまとめて消す」ための仕組みです。しかし今回のコード再構成でkill_litter_super()関数が改良され、d_genocide()は不要になりました。

不要なコードを削除するのは自然な流れですが、同関数は名前に「genocide(大量虐殺)」という強い言葉が含まれていたため、以前から議論の対象になっていたのです。

提案者のAl Viro氏は「破壊的な処理にはどうしても不快な言葉が付きまとう」と説明していましたが、Linuxコミュニティは数年前から「inclusive language(包括的な言葉遣い)」を推進しており、今回の削除はその流れに沿うものと見られます。

開発者は技術的な正確さだけでなく、社会的な配慮や文化的責任まで考慮しなければいけない時代となっているのかもしれません。

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