Apple、macOS Sequoiaでrsyncをopenrsyncに置き換えていた

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rsyncはコンピューター間でファイルを転送・同期するための信頼性の高いソフトウェアです。

macOSにもrsyncは標準で含まれていますが、macOS Sequoiaではrsyncopensrsyncに置き換えられていることがわかりました(Der Flounder)。

macOSのrsyncは、2006年11月にリリースされたrsync 2.xの最後のバージョン「rsync 2.6.9」が長い間採用されていて、rsync 3.xがリリースされても更新されませんでした。rsync 2.xと3.xでは、ライセンスがGPLv2ライセンスから、GPLv3ライセンスへ変更されており、Appleがrsync 3.xで採用されたGPLv3ライセンスを許容できなかったことが原因ではないかとみこまれています。

AppleはmacOSに同梱されていたrsync 2.6.9を、セキュリティ問題やその他の問題に対応するために必要に応じてアップデートしてきましたが、ベースが古くなっていることは否定できず、バージョン2.6.9以降のrsyncのバージョンで導入された新機能は利用することができませんでした。

macOS Sequoiaでrsync 2.6.9がBSDライセンスを採用したopenrsyncに置き換えられたため、今後はrsyncのGPLライセンスを遵守できるかどうかを気にすること無く、openrsyncの更新版を提供できることになります。

ただし、openrsyncはrsyncと互換性があるものの、rsyncのコマンドライン引数のサブセットしか受け付けないという制限があり、以前のmacOSで動作していたrsyncコマンドが、macOS Sequoiaでは動作しなくなる可能性があります。

openrsyncでサポートされている機能の詳細は以下のリンクで確認可能です。

実際にmacOS Sequoia 15.4で「rsync --version」を表示すると次のような結果が返ってきます。

$ rsync --version
openrsync: protocol version 29
rsync version 2.6.9 compatible

以前のmacOSの場合(本物のrsyncの場合)。

$ rsync --version
rsync  version 2.6.9  protocol version 29
Copyright (C) 1996-2006 by Andrew Tridgell, Wayne Davison, and others.

Capabilities: 64-bit files, socketpairs, hard links, symlinks, batchfiles,
              inplace, IPv6, 64-bit system inums, 64-bit internal inums

rsync comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY.  This is free software, and you
are welcome to redistribute it under certain conditions.  See the GNU
General Public Licence for details.

Hacker Newsでもこの問題に関する議論が行われており、openrsyncは主にOpenBSDプロジェクトによって開発されいるとか、macOSユーザーはHomebrewなどを通じて別バージョンのrsyncをインストールし利用することができるなど、追加の情報が寄せられています。

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