Mac用のデスクトップ仮想化ソフトとして長年ライバル関係にある「Parallels Desktop」と「VMware Fusion」。今年もそれぞれの最新版「Parallels Desktop 11」と「VMware Fusion 8」が発売され、どちらを選択すれば良いのか迷っている方も多いかもしれません。
このような中、真に役立つ情報だけを公開するという骨太のポリシーで運営されている海外技術系サイトTekRevueが、「2015 VM Benchmarks: Parallels 11 vs. Fusion 8 vs. VirtualBox 5」と題した両仮想化ソフトのベンチマーク結果を公開。意外な結果が明らかとなっています(参考のために作年のベンチマーク結果も参照するとより興味深いかもしれません)。
ベンチマーク環境
TekRevueのベンチマークは、主にMacBook Pro Mid-2014 15インチを使って測定されたもの(一部Mac Pro Late 2013モデルを使って測定された部分もあり)。ホストOSとしてOS X Yosemite 10.10.5が、ゲストOSとしてWindows 10 64bit版が使われています。
ゲストOSには8個の仮想CPU、12GBのRAM、1GBのグラフィックメモリが割り当てられています。
Geekbenchの結果
さまざまなベンチマークソフトを使った計測が行われているのですが、まず興味深いのは代表的なCPUベンチマークソフトであるGeekbenchの結果かもしれません。
Memoryテスト以外は、Fusion 8の方がParallels 11より1〜2.5パーセント程高い結果がでていることがわかります。上はシングルコアの結果ですがマルチコアの結果でも同様の傾向となっています。
3DMarkの結果
代表的なGPUのベンチマークテストである3DMarkを使って測定結果も公開されています。3DMarkは、DirectX 9、DirectX 10、DirextX 11のテストを提供するものですが、Fusion 8とParallels 11はDirectX 10までしかサポートしていないため、DirectX 11のテストは行われていません。
まずDirectX 9対応のローエンドテストである「Ice Storm」では、Fusion 8がParallels 11よりも大幅にリードしていることが分かります。
DirectX 10を使用した「Cloud Gate」ではParallels 11が3%ほど優勢ですが、ネイティブ環境であるBoot Campと比較すると大きな差があり、両方の仮想化ソフトでDirectX 10対応が未だ開発中であることが伺えます。
結論
従来、特にWindowsを使ったベンチマークでは、ParallelsがVMware Fusionより優秀な結果を叩き出すことが多かったのですが、今年は18個のテスト中11個でVMware Fusionが勝利する逆転現象が発生しています。
TekRevueは結論として、Windows用ゲームや、WindowsのCPUを多く使うアプリを使用する場合は、VMware Fusion 8を、バッテリー節約技術や、ファイルの転送速度、Windowsとの融合技術(WindowsでのQuick Lookサポートなど)、サスペンドやレジュームの速度を重視する場合は、Parallels 11を検討すべきかもしれないと述べています。
If you look at our Parallels vs. Fusion benchmark results simply by the numbers, then Fusion 8 is the clear winner, taking 11 out of 18 tests and pushing on three more. But the reason we try to test so many different areas (and divide them up individually for easy access via the Table of Contents), is because everyone’s needs are different. Some users are looking for a virtualization app to play Windows-only games, or crunch data in a Windows-only CPU-intensive app. Those folks should probably go with Fusion 8 this year.
ちなみに、VMware Fusionは(Proじゃない方は)複数台のMacにインストール可能なので、たくさんMacを持っている方はFusionのほうがお得かもしれません。