Appleは毎年「macOS(以前はOS Xという名前でした)」の新バージョンを公開しており、ユーザーも基本的にこの方針に従うしかありません。
macOSの新機能が追加されるのは常に最新版であり、セキュリティパッチが公開されるのも直近の3バージョンに限定されているため、ユーザーが取り得る選択肢はあまりないのです。
今回紹介する「Projects For Old Versions of OS X」は、このAppleの方針に逆らい、2016年に公開された「OS X Mavericks」を使い続けるためのソフトウェアコレクションです。
作者のJonathan氏は2019年の秋にモダンなmacOSを捨て、以前印象的な体験を得ることができた、古いOS X「OS X Mavericks」を使用することを決断します。実際は、i7-4790KとGTX 780 6GBを搭載したHackintoshでMavericksを動かしているそうで、経緯や試行錯誤はこちらのスレッドで詳しく説明されています。
Mavericksを使うためのソフトウェア集
同サイトからは、OS X Mavericksを、2022年現在に使用し続けるために必要な各種ソフトをダウンロードすることができます。
▲例えば、そのままでは動かなくなっている「Weather」「Unit Converter」「Translation」といったダッシュボードウィジェットがダウンロード可能です。
▲またChromiumを古いOS Xでアップデートするための「Chromium Legacy Downloader」や、HTTPS問題を修正する「Legacy Mac Proxy」、メールアプリの脆弱性を修正する「Apple Mail Security Fix」もダウンロードできます。
他にも「オーディオ&ビデオ」「ゲーム&エミュレーター」「システム関連」「その他ジャンル」のアプリをダウンロードすることができます。
セキュリティ上のリスクは存在するものの…
Jonathan氏は古いOS Xを使用することで発生するセキュリティ上のリスクに関し、以下のような対策を行っていると説明しています。
- コンピューターは最新のファームウェアを搭載したルーターの後ろにある。
- 最新のWebブラウザを使用している。
- インストールするソフトウェアについて慎重に吟味している。
- 定期的にコールドストレージにデータをバックアップしている。
対策は完全ではないものの、小さなリスクと引き換えに、コンピューターライフを楽しんでいるとのこと。誰にでも真似できることではありませんが、興味深い試みだといえそうです。