Google Chromeの次期バージョン「Chrome 85」で予定されていた「セグメントヒープ」を利用した省メモリ機能の導入が、副作用の影響により見送られることになったことがわかりました(Techdows、PC Watch)。
セグメントヒープは効率的にメモリを管理することができる機能で、Windows 10の以前のバージョンではUWPアプリでのみ使用可能でしたが、Windows 10 Version 2004ではWin32アプリからも利用可能となっています。
ChromiumベースのMicrosoft Edgeと同様に、Chromeでもセグメントヒープによって省メモリ化が実現できることが期待されていましたが、省メモリ化のかわりにCPUの負荷が高まるという副作用の影響が大きく、Chrome 85でのデフォルト有効化は見送られた形です。CPU負荷の上昇(Speedometer2の10%の速度低下、13%のCPU消費電力の上昇)がこの変更を維持するにはコストが高すぎると考えられています。
Googleは今後も試験的フラグによってセグメントヒープ導入の可能性を調査する予定のようですが、Microsoftの社員は、CPUとメモリはトレードオフの関係にあり、セグメントヒープ導入の影響を少なくするには、ブラウザの一時的なヒープの割り当ての削減や(コードベース全体の見直しが必要)、セグメントヒープ自体のパフォーマンスの改良(Windowsチームのみが対応可能)が必要と指摘しています。