日本のソフトウェア技術者、まつもとゆきひろ氏によって作られたプログラミング言語「Ruby」。その出自から日本で人気が高いのはもちろん、「Ruby on Rails」というキラーフレームワークが爆発的に広まったことで、全世界的な知名度をも獲得しました。
ところがここ数年Rubyの人気は低下傾向にあり、以前とは状況が少し変わってきているようです。
テックメディアTechRepublicのライターAlison DeNisco氏は8月7日、「The death of Ruby? Developers should learn these languages instead」という記事を公開。Rubyの人気が低下している現在、開発者は別のプログラミング言語を習得したほうが良いという趣旨の考察を展開しています。
Rubyの人気の低下の証拠とは
同記事はRubyの人気低下の証拠として、Indeedによる求人数でRubyの人気が9番目にまで低下しているとのこと、IEEE Spectrumのプログラミング言語ランキングで、Rubyの順位が2014年の8位から2017年の12位まで低下していること、さらにCoding DojoでRubyコースが終了したことなど、幾つかの事実を挙げています。
またコンピューターサイエンス分野で関心が低いことや、Twitterを始めとした巨大企業がRailsの採用をやめたこと、Stack Overflowで関心が低下していることなども、Ruby人気が低下している具体例としてリストアップしています。
PythonとJavaScriptを学ぶべき
同記事では「Python」と「JavaScript」を学ぶべき言語として推奨しています。
Pythonは、Web開発やデータサイエンス、その他分野でここ数年急激に広まっており、Rubyと似たシンタックスを採用している部分もあるため、Ruby開発者にとっても習得しやすいプログラミング言語であると説明されています。
またJavaScriptは、全世界で最も使用されている言語であり、Node.js、AngularやReactといった強力なフレームワークによって、バックエンドからフロントエンドまで幅広くカバーした、価値のあるプログラミング言語であるとされています。
IEEE Spectrumの2017年ランキングでもPython言語は1位となっていてこの主張はある程度納得できるところかもしれません。
同様に、JavaScriptの応用範囲の広さも、誰もが認めるところだと思います。
RubyはPerlのようになる?
Rubyの今後に関しては、2008年頃から人気が低下したPerlを例にとって、人気は低下していくものの、完全になくなることはないと結論づけられています。
この記事の主張が正しいかどうか議論が分かれるところですが、Rubyの人気が低下したという主張は、近頃この記事以外にも目にする機会が多く、Ruby開発者ならば気になるところかもしれません。
Rubyの人気が今後も低下し続けていくかどうかは分かりませんが、他のプログラミング言語を学び、メリットやデメリットを理解するのは、あらゆる開発者にとってとて有益な事だといえそうです。