Canonicalは4月26日(現地時間)、「Ubuntu 24.04 LTS Noble Numbat」をリリースしました(Phoronix)。
最新版にはLinux 6.8カーネルが含まれていて、「syscallのパフォーマンスの改良や、ppc64elアーキテクチャでのnested KVMのサポート、bcachefsファイルシステムへのアクセス」を実現しています。アップストリームの改良に加え、Ubuntu 24.04では低レイテンシーカーネル機能をデフォルトカーネルにマージし、カーネルタスクのスケジューリング遅延を削減しています。
また、すべての64ビットアーキテクチャでフレームポインタがデフォルトで有効化され、開発者がトラブルシューティングや最適化のためにシステムをプロファイリングする際に、正確で完全なフレームグラフにすぐにアクセスすることが可能となります。
Intelのコンピューターパフォーマンスエキスパート兼フェローであるBrendan Gregg氏は、フレームポインタの有効性を次のように説明しています。
Frame pointers allow more complete CPU profiling and off-CPU profiling. The performance wins that these can provide far outweigh the comparatively tiny loss in performance. Ubuntu enabling frame pointers by default will be a huge win for performance engineering and the default developer experience
フレームポインタは、より完全なCPUプロファイリングとCPU外プロファイリングを可能にします。これらがもたらすパフォーマンスの向上は、パフォーマンスの比較的小さな損失をはるかに上回ります。Ubuntuがデフォルトでフレームポインタを有効にすることは、パフォーマンスエンジニアリングとデフォルトの開発者エクスペリエンスにとって大きな勝利となるでしょう。
Ubuntu 24.04 LTSは、.NET 8を完全にサポートし、Rust 1.75と「よりシンプルなRustツールチェーンスナップフレームワーク」が付属しています。
LTSとしては初めてUbuntu DesktopでUbuntu Serverと同じインストーラーテクノロジーが利用できるようになり、デスクトップ版でもautoinstallやcloud-initなどのイメージカスタマイズツールを使用することができるようになりました。UIもFlutterで構築されたモダンなデザインになっています。
Ubuntu 24.04 LTSの無償サポート期間は5年ですが、レガシーサポートアドオンを購入したUbuntu Pro加入者は、アップデートとサポートを合計12年間受けることが可能となります。
新バージョンのISOファイルや壁紙は公式サイトからダウンロード可能です。