Microsoftは8月26日(現地時間)、Windows Admin Center に新機能「VM Conversion Tool(仮想マシン変換ツール)」のプレビュー版を導入したことを発表しました。これは、VMwareからHyper-Vへの仮想マシンの移行を、エージェントレスかつ無料で実現するツールです。
クラウドやAI対応インフラへの移行が進む中、オンプレミス環境を維持しながら柔軟に対応を進めたい組織も少なくありません。特に中小規模の企業にとって、コストや運用負荷を抑えながらHyper-Vへの移行を進める手段が求められています。このツールは、そうしたニーズに応えるためのもので、Azureへの将来的な移行も視野に入れたハイブリッド戦略を支援します。
主な機能は以下の通りです。
機能 | 説明 |
---|---|
エージェントレス検出 | VMware 環境に接続するだけで、仮想マシンを非侵入的に検出 |
最小限のダウンタイム | 初回レプリケーション中はVMが稼働し、最終切り替え時のみ停止 |
複数VMの同時変換 | 最大10台まで一括変換可能 |
ブート構成の自動マッピング | BIOS→Gen1、UEFI→Gen2へ自動変換 |
OS非依存 | Linux・Windows両方のゲストOSに対応 |
複数ディスク対応 | OS・データ・アプリケーションディスクを一括移行 |
スムーズで信頼性の高い移行を保証するため、ツールは、事前チェックでディスクタイプやメモリ要件などを検証し、移行失敗のリスクを低減します。Change Block Tracking(CBT。変更ブロック追跡)方式により、初回コピー後の差分を効率的にレプリケーションし、Hyper-V互換形式での変換を保証します。
Azure Arc 対応も将来的に予定されており、ハイブリッド管理の強化が期待されます。
目次
まとめ
VM Conversion Toolは、VMwareからHyper-V への移行をシンプルかつ安全に行える新しい選択肢です。Windows Admin Center v2 GA版で利用可能で、わずか数分でセットアップは完了します。オンプレミス環境を維持しながら、クラウドへの道筋も確保したい組織にとって、非常に有用なツールにあると期待されます。