第23回コンピューター将棋選手権は、最終戦のGPS将棋とBonanzaの対局を、GPS将棋がまさかの時間切れ負けで落とし、Bonanzaが優勝をはたしました(コンピュータ将棋選手権ネット中継ブログ)。25分切れ負けというルールに泣かされた形ですが、クラスタリング構成の弱点である、短時間での応答の難しさ、がでたともいえます。
時間が短くなってからはGPS将棋もBonanzaも間違えまくっていた(不十分な探索で指さざるをえなかった)というところも興味深いですね。
Bonanzaももちろん強豪ソフトですが、2次予選の結果から、ponanza、激指、GPSあたりが優勝するものだと思っていたので意外な結末でした。
計算力がものを言う結果に?
最終的な結果は以下の通り。
GPSはクラスタ接続して戦うことで有名ですが(今回は計804台)、今回はBonanzaも35台のマシンを接続して戦っていたようです。
Bonanzaのスペックの詳細は
XeonX3440 2.53GHz 6core を1台
X5680 3.33 GHz 12 core を5台
X5690 3.47GHz 12 core を12台
E5-2687W 3.10GHz 16core を16台
corei7 L640 2.13GHz 2core を1台
計468core 計35台
上位2チームが多数のマシンをクラスタ接続したマシン構成で戦っていたことから、計算力=資金力がものを言う結果が出たといえるかもしれません。
現在のようなハードウェア無制限の大会も良いですが、PCのスペックを揃えて純粋にプログラム技術だけで争う大会もあったらおもしろそうですね。
激指は4位に終わりましたが、この技術が今度でる市販ソフトの「激指13(?)」に反映されると思えば、なかなか夢がある結果だと思います。そこそこのスペックで激指に検討させれば対局の観戦時にも役に立ちそうです。
棋譜中継、USTREAM中継がぐだぐだだったことを除けば、結構おもしく観戦することができました。
第3回電王戦はあるのか?
今回の結果5位〜1位を順に並べると次のようになります。中堅がGPS将棋という恐ろしい布陣に。
- NinedayFever
- 激指
- GPS将棋
- ponanza
- Bonanza(大将)
もし次も5vs5の団体戦が行われるなら、大将戦で渡辺竜王vsBonanzaという因縁の対決が再現されるかもしれません。関係者各位には開催を前向きに善処していただきたいですね。