Microsoftは2016年にARMデバイス上で動作するWindows 10を発表しました。ARM版のWindows 10はARMをネイティブにサポートしたアプリに加え、32bit Intel x86アプリをエミュレーションによって動作させる事が可能ですが、64bit版のアプリはサポートされておらず、大きな制限となっています。
今回Microsoftがこの問題を解決するため、ARM版のWindows 10で64bit版アプリを動作可能にするための作業を進めていることが明らかとなりました(Windows Latest)。
WindowsチームのプリンシパルソフトウェアエンジニアKenny Kerr氏によってGitHubにコミットされた情報によると、Microsoftは「ARM64EC」と名付けられたアーキテクチャ上で活発に作業を進めている模様。ARM64ECはx64_64アプリをARMデバイス上で動作させるための新しいアーキテクチャの名前になる可能性があります。
64bitアプリのエミュレーション実行は、古いSnapdragonプロセッサを搭載したデバイス上で32bitアプリを動作させた場合よりもパフォーマンスへの影響が大きい可能性があるものの、Snapdragon 8cxのような最新のチップセットでは影響が少ないと見込まれています。
Windows 10 on ARMの64bitアプリのエミューレーション実行機能は、2021年の前半の機能アップデート、すなわちWindows 10 21H1(Spring 2021 Update)で公開される可能性があると見込まれています。