
Microsoftが先日公開したWindows 11 26H2/25H2向けのプレビュー更新プログラム「KB5127936」において、モダンスタンバイに関連する休止状態の動作が改善されました。
派手な新機能ではありませんが、ノートPCユーザーにとっては日常的な使い勝手に直結するアップデートとなりそうです。
モダンスタンバイが抱えていた課題
モダンスタンバイはPCをスマホのように低消費電力状態で維持し、素早く復帰できるようにするWindowsの省電力機能です。瞬時に復帰することができますが、スリープ中にもバッテリーを消費し続けたり、カバンの中で熱くなっていたりといった問題が発生することがありました。
こうした課題を補うためにWindowsには「適応型休止状態(Adaptive Hibernation)」が用意されていてます。タイマーではなく実際のバッテリー消費状況を監視しながら、適切なタイミングで休止状態へ移行することで電力消費を抑えるという仕組みです。
KB5127936で適応型休止状態を見直し
KB5127936でこの適応型休止状態の見直しが行われています。
[Adaptive hibernate policy]
New! This update improves the adaptive hibernate policy to provide more instant-on resumes from Modern Standby while helping preserve battery life when the charge is low. Noticeable changes include less hibernation while the battery is above 80% and hibernating sooner when the battery is below 10%.
新機能!このアップデートでは、適応型休止状態ポリシーが改善され、モダン スタンバイからのインスタントオン再開がより多く実現されるとともに、バッテリー残量が少ないときのバッテリー寿命の維持にも役立ちます。主な変更点として、バッテリー残量が80%を超えている間は休止状態への移行が減り、10%未満の場合はより早く休止状態に移行するようになります。
従来のポリシーでは、Windowsは一定のバッテリー消費量を基準として休止状態への移行を判断していました。公式ドキュメントによるとこれまでの挙動(デフォルト値)は次のとおりです。
- 最初の15分は休止しない:スリープ直後にすぐ休止に入ることはありません。
- 12時間で5%減ったら休止:スタンバイ中に許される電池の減りは12時間あたり5%までです。これを超えるとその時点で休止に入ります。
- 最長でおよそ2日間:12時間で5%未満に収まれば、枠がリセットされてスタンバイを続けます。リセットは最大4回なので、どんなに省電力でもだいたい48時間たつと休止に入ります。
- 復帰後に20分は使える分を残す:電池がそれより少なくなりそうなら、先に休止に入ります。開いたら電池切れ、を防ぐためです。
- バッテリー駆動のときだけ:AC電源につないでいるときは、この仕組みは働きません。
判定が「減った量(%)」中心で、今の残量はほとんど見ていないため、満充電近くでも休止に入る、残量が少ないときに粘りすぎるという問題がありました。
今回のアップデートでは、その判断ロジックが見直され、バッテリー残量に応じてより柔軟に動作するようになります。
| 残量 | 以前 | 今回 |
|---|---|---|
| 80%より上 | 残量に関係なく5%/12hで休止 | 休止しにくくなる → 瞬時復帰が増える |
| 10〜80% | 同じ | 大きな変化は書かれていない |
| 10%未満 | 予算か20分の条件まで粘る | 早めに休止に入る → 電池切れを防ぐ |
まとめると、「余裕があるときはスタンバイのまま、ピンチのときはすぐ休止」という残量に応じた判定に変わりました。出先でPCを使う機会が多いユーザーにとっては、気付いたらバッテリーが空になっていたという状況の防止につながりそうです。
まとめ
モダンスタンバイは便利な機能ですが、これまでバッテリー消費の問題から敬遠するユーザーも少なくありませんでした。Microsoftは今年に入ってからもスリープ関連の設定改善を進めており、今回の適応型休止状態の改良もその流れの一環といえます。
