AMDは先日、Zen 5ベースのRyzen 9000シリーズデスクトッププロセッサを発表し、IPC(クロック/サイクルあたりの命令数）を16％向上することに成功したことを明らかにしました。
Ryzen 9000シリーズのCPUは、Zen 4ベースのRyzen 7000シリーズCPUと比べて性能の向上が十分ではないとの批判も行われているようですが、パフォーマンスが悪かったのは、CPUのせいだけではないかもしれません。
最近行われた、Windows 11 24H2とLinuxとの比較では、ゲームやその他のワークロードでLinuxが上回っている多く、またWindowsの設定によって、AMDのRyzenチップのパフォーマンスが低下しているのではないかとの指摘が行われています(Neowin)。
YouTuberのHardware Unboxed(HWU)はZen 5のパフォーマンスに関してAMDと連絡を取り、AMDはRyzen 9000シリーズのデスクトップCPUでパフォーマンス低下を引き起こしているのは、アカウント権限に関連するWindowsのバグである可能性を示唆しています。
管理者アカウントで再テストしたところ、Zen 5のRyzen 7 9700Xは平均フレームレートで4％近く、パーセンタイル最低値で3.5％強向上したとのこと。
Windowsのデフォルト管理者アカウントは通常無効化されていますが、以下のコマンドを使えば有効化できます:
net user administrator/active:yes
不思議なことに、AMDはこの問題はZen 5だけのものだと述べているようですが、Zen 4ベースの7700Xでもパフォーマンスが向上したとのこと。このバグ(?)がSocket AM5のラインナップ全体に影響を及ぼしている可能性があります。
For some testers an incorrect provisioning might have hurt performance of the Ryzen 9 9900X and 9950X. @AMDRyzen gave the following advice to tester: pic.twitter.com/wagUlanW9y
— Andreas Schilling 🇺🇦 🇮🇱 (@aschilling) August 15, 2024
また、AMDは、Windowsのドライバーのプロビジョニングもこの問題に関与している可能性を示唆しています。同社は、CPUを変更する際にはWindowsをクリーンアップするか、少なくともチップセットドライバーを再インストールするようレビュアーに指示しているようです。
Windows 11 Version 24H2は、Armプロセッサを搭載した「Copilot+ PC」向けに正式公開されている段階で、一般PC向けには今年の後半に正式にリリースされる予定です。現段階で、Intel/AMDプロセッサが利用できる24H2はプレビュー版であり、何らかの不具合が残っている可能性はありそうです。
