
Microsoftは先日、Windows 11のゲーミング向け推奨スペックを解説する公式ドキュメントを公開しました。先日紹介した際、すでに公式ドキュメントはリンク切れとなっていましたが、やはり、ユーザーの反発を受けて削除されてしまっていた模様です。
この文書では、16GBのRAMを「実用的なスタート地点」、32GBを「ノー・ウォーリーズ(心配なし)アップグレード」と位置づけており、これが大きな議論を呼びました。
For most players, 16GB RAM is a practical starting point. Moving to 32GB RAM helps if you run Discord, browsers, or streaming tools alongside your games. That extra memory also gives newer titles more breathing room as memory demands continue to rise.
ほとんどのプレイヤーにとって16GB RAMは実用的なスタート地点。Discordやブラウザ、配信ツールを併用するなら32GBが役立つ
一見すると妥当なアドバイスに見えますが、公式のWindows 11最小要件はRAM 4GBであり、一般的な低価格PCは8GBが主流です。このギャップが「混乱を招く」としてコミュニティの批判を集めました。
さらに、Microsoftが推進するCopilot+ PCがAI機能のために16GBを必須としている点も、今回の「32GB推し」と矛盾する印象を与えたようです。
文書は削除され、Wayback Machineからもブロック
批判が広がった後、Microsoftは問題のページを削除し、URLをLearning Centerのトップページへリダイレクトしてます。さらにWayback Machineでの閲覧もブロックしており、内容は追跡しづらい状況となっています。Microsoftは今回の件についてコメントしていませんが、意図的に拡散を抑えたい姿勢がうかがえます。
Microsoftの32GB推しは今回が初めてではなく、2026年2月にも同様の文書が削除されています。そこでも「16GBで十分、32GBはシリアスゲーマー向け」と説明しつつ、Copilot+ PCを「ゲーミングに最適」と位置づけていました。しかし、Copilot+ PCの代表格であるSnapdragon X2 Elite Extremeは多くのゲームをネイティブ動作できず、ゲーミングPCとしては不向きです。そのため「Copilot+ PC=ゲーミング向け」という表現は誤解を招くとして批判され、こちらも撤回された模様です。
背景にある「Windows 11のメモリ問題」
Microsoftは最近、Windows 11のメモリ使用量の多さを改善する方針を明言しています。ElectronアプリやWebView2アプリが増えたことで、低RAM環境でのパフォーマンス低下が顕著になっているためです。
現在Windows 11では、起動速度の向上、タスクバーやスタートメニューの軽量化、ファイルエクスプローラーの信頼性改善といった、RAM使用量を抑えるための最適化が進められており、今回の「32GB推し」撤回は、こうした方向性と整合性を取るための判断とも考えられます。
まとめ
今回の文書の削除は、公式要件・AI・ゲーミングの間でMicrosoftがバランスを取りきれていないことを浮き彫りにしました。
- 最小要件は4GB
- AI機能には16GB必須
- ゲーミングには32GB推奨(ただし撤回)
ユーザーにとっては混乱しやすい状況であり、今後はより一貫した情報発信が求められそうです。
[via Windows Latest]
