「氷と炎の歌」で有名なジョージ・R・R・マーティン氏は、「WordStar」を愛用している事で有名です。
WordStarはDOS時代に人気のあったワープロソフトですが、Windows対応が遅れ、現在は保守や販売が行われていない状態です。今回、WordStarの愛用者で、受賞歴のあるカナダのSF作家、ロバート・J・ソイヤー氏は、独自の判断のもと、DOS用との最終版「WordStar 7」を無償で公開したことがわかりました(Ars Technica)。
ソーヤー氏は、このアプリが「廃品」であると判断し、WordStar 7の完全版をできる限りまとめて再配布しています。WordStarに付属していた1,000ページ以上のスキャンマニュアル、関連ユーティリティ、彼自身が作成した、READMEドキュメント、DOSBox-XとVDosPlus、WordStar 7 Rev.Dをまとめ「Complete WordStar 7.0 Archive」として自身のウェブサイトに掲載しています。
パッケージのサイズは700MBほどで、READMEには、DOSBox-XでWordStarを動作させるための推奨設定など、WordStarを使いこなすための調整方法が詳しく説明されています。例えば、画面を80カラム、テキストを25行に設定する、良いフォントを選ぶ、WordStarのショートカットを利用するためにCapsLockキーとCtrlキーを切り替えるなどです。また、CONVERT.EXEという、WordStarファイルをWordや他の最新ツールが読めるように変換するユーティリティも含まれています。
ソーヤー氏は、WordStarの魅力について、VimやEmacsと違って、コードではなく文章のために作られていることをあげています。WordStarは強力なコマンドが使いやすい位置に配置されていて、テキストをナビゲートしたり、ブックマークしたり、自分のためにメモを残したりする作業や、WordPerfectやWordなど他のアプリよりはるかに簡単に実行できるとその魅力を指摘しています。