Tim Anderson、Marc Blank、Bruce Daniels、Dave LeblingがMITで開発したテキストベースのアドベンチャーゲーム「Zork」の1977年版のソースコードがGitHubにて公開されています(Hacker News)。公開されたファイルは、MIT Libraries Department of Distinctive Collections(DDC)のMassachusetts Institute of Technology, Tapes of Tech Square (ToTS) コレクションに含まれるものとのこと。
リポジトリ内のファイルは、ToTSコレクションの/tots/recovered/vol2ディレクトリ内の9005196.tapテープイメージに含まれていたもので、大部分はMDLプログラミング言語で書かれています。プログラムは、ITSオペレーティングシステムが動作するPDP-10タイムシェアコンピュータで作成されました。
ファイルはitstarプログラムを使ってテープイメージから抽出され、ファイル名はitstarの翻訳に従ってUnixの規約に合わせられています(オリジナルのファイル名はたとえばLCF; ACT1 37のような形式)。すべてのファイルは整理のため人工的に作られたzorkディレクトリ内に置かれています。
lcfとmadmanディレクトリにはゲームのソースコードが入っていて、2つのメインディレクトリの外側にあるact2.27とdung.56は、act2z.27とdungz.56を復号化したものとなっています。復号化されたバージョンは最近作成され、研究者がアクセスしやすいように、DDCデジタルアーカイビストのJoe Carrano氏が追加したそうです。
▲複合化された「dung.56」の一部。roomは部屋の意味か。
拡張子が.nbinと.saveのファイルはバイナリコンパイルされたファイルで、madmanディレクトリ内にはzork.logファイルがあり、ゲーム作成時に誰がZorkをプレイしたかが詳細に記録されていました。DDCはプライバシーを保護するため、このファイルを公開から除外しています。
Wikipediaによると、Zorkの舞台は、「巨大地下帝国」の一部を占める不規則に広大な地下迷宮で、プレイヤーは冒険者となり、洞窟に隠された宝物を発見し、それらを持って生還することを目指します。
DEC PDP-10で最初のバージョンが作成され、1979年にはオリジナル版Zorkのプログラマー3人によって興されたInfocomによって多数のコンピューターに移植されます。
GitHubにはこれ以外にもいくつかのMDL版Zorkのソースコードが公開されおり、こちらから辿ることができます。
