先日発売開始となった9.7インチ型の「iPad Pro」はA9Xプロセッサを搭載しています。Webブラウジングや動画再生などでは素晴らしい性能を発揮する事が実証されているA9Xプロセッサですが、単純な数値計算を行った場合のパフォーマンスはどれくらいなものでしょうか。
素数を計算する単純なベンチマークプログラムを用い、9.7インチ型iPad Proと、ラップトップやデスクトップなどさまざまなデバイスとの性能を比較したブログ「Single-Core Studies」が話題となっています(Hacker News)。
記事を公開したStephen Coyle氏がテストに用いた機材は以下の6台:
- i7 2600デスクトップ
- i7 4850HQ搭載の15インチMacBook Pro
- Surface Pro 3 i3
- iPhone 6S Plus
- iPad Pro 9.7-inch
- iPad 2
これらデバイスで0から100,000までの素数を求めるプログラムを実行し、かかった時間でシングルコアの性能を比較しています。なおiOSデバイスではSwiftを、SurfaceとMacではC++を使ってプログラムを作成したそうで、PrimeCheckerと呼ばれるベンチマークプログラムのソースコードも公開されています(Swift、C++)。
結果は以下の通り。9.7インチiPad Proがデスクトップに肉薄する成績を押さえています。
18.814 seconds - 1.00x - i7 2600 Desktop 20.350 seconds - 0.92x - i7 4850HQ MacBook Pro 21.499 seconds - 0.88x - iPad Pro 9.7-inch 25.815 seconds - 0.73x - iPhone 6S Plus 40.654 seconds - 0.46x - i3 Surface Pro 3 281.21 seconds - 0.07x - iPad 2
Stephen氏はこの結果に対しx86搭載のSurface ProがARMのiPad Proより2倍遅いこが驚きであると指摘しています。
Hacker Newsではベンチマークに用いたプログラミング言語がデバイスごとに異なること、および最適化フラグなどが考慮されていないことなどテストの条件が不十分であることを指摘する声もあります。ただしざっくりとした感覚でモバイルデバイスのプロセッサの性能がデスクトップやラップトップに追いつきつつある証拠として興味深いものではないでしょうか。
▲Mac mini 2012(2.3 GHz Intel Core i7搭載)だとこのくらいの性能です。