Appleのノッチ付きMacBookで、多くのゲームがぼやけて表示される問題が報告されています。これは単なるグラフィック設定のミスではなく、Appleが2年以上前から把握しているバグが原因とのことです(Neowin)。
この問題の原因は、ゲームがフルスクリーンAppKit APIを使用する場合、利用可能な画面領域に対して適切な出力解像度が設定されないために発生します。No Man’s Sky、Riven、Stray、Shadow of the Tomb Raiderなどの多くのゲームが影響を受けますが、Cyberpunk 2077や、World of Warcraftなど影響を受けないゲームも存在します。
技術的背景
ノッチ付きMacBookの画面は以下の3つの領域に分かれています:
領域名 | 説明 |
---|---|
全体表示領域 | ノッチやメニューバーを含む全画面 |
安全領域 | ノッチの下にある描画可能な領域 |
フルスクリーン領域 | メニューバーの下から始まる描画領域 |
AppleのCGDisplayCopyAllDisplayModes APIは、これらの領域の解像度を混在して返すため、ゲームが誤ってノッチを含む解像度を選び、結果として画像が潰れてぼやけてしまうという問題が発生するのです。
例えばフルディスプレイ解像度が設定されてしまうと、これにはゲームが描画できないノッチ領域を含むため、画像が圧縮されぼやけた状態になってしまいます。
回避策は?
ユーザー側できる回避策としてゲームを16:10比率で実行するというものがあります。また開発者は独自の解像度リストを使用してこの問題を回避することができます。
ただしこの問題の根本的な原因はApple側にあるとして、Mac開発者のColin Cornaby氏は、AppleにHuman Interface Guidelines(HIG)の更新や、Game Porting Toolkitのサンプル改善、CGDisplayMode APIへのフィルタ機能の追加、ゲーム向けの新しいAPIの構築などを提言しています。
このバグは2023年9月に報告済み(FB13375033)ですが、Appleはまだ修正していません。Macでのゲーム体験を向上させるためにも、Appleの早急な対応が望まれます。