
オープンソースでWindows互換OSを目指す「ReactOS」で、Wineプロジェクトから取り込んだDirectXスタックの大規模な更新が正式にマージされ、ゲーム互換性の向上に大きな一歩が踏み出されたことがわかりました。
今回の更新は、Wine 10.0ベースのDirectX実装をReactOSに統合するもので、従来の多数のハックを取り除きつつ、より近代的なグラフィックス基盤への移行が行われています。新規コードは約49.8万行、削除された旧コードは11.9万行にのぼり、プロジェクトとしても歴史的な規模の変更となっています。
OpenGL/Vulkanを活用したDirectX変換が可能に
新しいDirectXスタックでは、OpenGLやVulkanを使ったDirectX変換が可能になり、ゲームの動作安定性や互換性が大きく向上しています。Vulkanについては現時点でカスタムブランチやMesaのソフトウェアレンダラーが必要ですが、ReactOS上でより多くのゲームが動作する基盤が整いました。
開発者のJustin Miller氏は、Pull Request内で「230時間以上を費やした長年越しのアップデート」と語り、Dragon Age: Originsのようなタイトルがついに起動可能になったことを強調しています。
ReactOSの進化はまだ続く
ReactOS開発チームはX(旧Twitter)上で、DirectX 10/11/12のゲーム互換性も近い将来実現できる見込みを示しています。これが実現すれば、ReactOSは「Windows互換OS」としての実用性を大きく押し上げることになり、古いNT5.x系の環境を必要とするユーザーやレガシーゲーム愛好家にとっても朗報となるでしょう。
After years, several PRs, 200+ hours, dozens of commits, countless tests... DirectX and WineD3D components of #ReactOS are now all synced with Wine 10.1!!!
Along with enhancements of compatibility with games for XP and below, soon DX10/11/12 compatibility will be possible!!— ReactOS (@reactos) September 24, 2026
今回のDirectXスタック刷新は、ReactOSの長期的な目標である「Windowsアプリ・ゲーム・ドライバーの高い互換性」に向けた重要な前進です。オープンソースでWindows互換環境を構築するという挑戦は依然として険しいものですが、今回のアップデートはその道のりを確実に進める大きな成果と言えます。
[via Phoronix]
