Appleが一度はリジェクトした、iOS向けのPCエミュレーターアプリ「UTM SE」を承認したことがわかりました(The Verge)。UTM SEはiOS 14.0、iPadOS 14.0、visionOS 1.0以降に対応した無料アプリで、App Storeからダウンロードすることができます。
UTM SEは、WindowsやMac OS 9、Linuxなどで動作するクラシックなソフトウェアやゲームをiPhone上で実行することができるPCエミュレーターアプリです。Appleは今年の6月にUTM SEをリジェクトし、開発者は登録を断念したと説明していましたが、実際は登録のための努力が続けられていた模様。
開発を手助けしてくれたAltStoreチームや、App Storeの条件であるJITレスビルドのために必要だった「QEMU TCTI実装」を行った開発者に感謝の意を示しています。
We are happy to announce that UTM SE is available (for free) on iOS and visionOS App Store (and coming soon to AltStore PAL)!
Shoutouts to AltStore team for their help and to Apple for reconsidering their policy.https://t.co/HAV5JnT5GO
— UTM (@UTMapp) July 13, 2024
他のエミュレーターアプリと同様、UTM SEをダウンロードしただけでできることはほとんどなく、OSやアプリの設定は自力で行う必要があります。
UTMの公式サイトには、Windows XPからWindows 11までのエミュレーションガイドが掲載されているほか、ビルド済みの仮想Linuxマシンをダウンロードすることもできます。またMac OS 9.2.1とDOSを実行できることもスクリーンショットからわかります。
以下UTM SEの特徴です。
- グラフィック用のVGAモードとテキストのみのオペレーティングシステム用のターミナルモードの両方をサポートしている。
- x86、PPC、RISC-Vアーキテクチャをエミュレート。
- あらかじめ構築されたマシンの実行、またはスクラッチから独自の設定を作成可能。
- 強力で広く使用されているエミュレータであるQEMUを使用している。