ドキュメントのように見えて、ターミナルのように動く。シェル履歴共有を超えた「Atuin Desktop」が爆誕

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インフラ運用の現場では、問題が起きたときに頼れるのは「誰かが覚えている5つのコマンド」だったりします。ドキュメントは古く、SlackのスレッドやNotionの奥底に埋もれた知見は再利用されず、シェル履歴に眠る真実は共有されない…そんな状況を打破するのが現在開発が進められている「Atuin Desktop」です。

Atuin Desktopは、ローカルファーストで動作する「実行可能なRunbookエディタ」です。見た目はドキュメントですが実行可能なスクリプトを埋め込むことができ、チームの知見を「動くRunbook」として再構成することができます。

Runbookは繰り返し発生する業務やトラブル対応のための、実行手順を体系化したドキュメントです。

人気のあるシェル履歴共有ツール「Atuin CLI」の思想と技術をベースに進化したプロジェクトで、同じ開発チームによって作られています。

主な特徴は次の通りです:

  • 埋め込み実行環境:シェルコマンド、DBクエリ、HTTPリクエストをRunbook内で直接実行

  • 腐らないドキュメント:実行可能だから常に最新。コピペ不要

  • 動的テンプレート:Jinja風の構文で環境ごとのパラメータや条件分岐に対応

  • ローカルファースト設計:CRDTベースでオフラインでも編集可能。Atuin Hubで同期・共有も

  • 履歴からの補完:実際のシェル履歴をもとにオートコンプリート

リリース管理やインフラの移行、環境構築、DB操作、障害対応などさまざまな場面で活用することができます。

目次

使用方法

Atuin Desktopは現在オープンベータとして提供されています。GitHubからmacOS(ARM/Intel)、Linux版をダウンロードすることができ、単体アプリとして実行することができます。

アプリを実行するとWelcome画面が表示されます。

データを同期する場合は「Atuin Hub」アカウントが必要ですが、同期しない場合はアカウント登録なし(ローカルのみ)で利用することができます。

サイドメニューの「History」「Stats」などで現在のシェルの状態を確認することができます。

真ん中のペインの「New Runbook」をクリックすると「Runbook」を追加することができます。Runbook上で「/」キーを押すとポップアップが表示され、「Terminal」や「Script」などを追加することができます。Scriptの場合は画面上で入力したスクリプトを直接実行することができます(このときシェル履歴から自動補完してくれます)。

どのようなことができるかは、examplesを表示するとわかりやすと思います。

Atuin Desktopは現在オープンベータ中で、実際の利用シーンからのフィードバックをもとに、機能改善が進められています。GitHub上でバグ報告や機能要望も受付中です。

まとめ

このプロジェクトは、単なる個人向けのツールではなく、「チームの知識を動かす形で残す」ことを目指しています。もしあなたの現場で「ドキュメントはあるけど使われない」「履歴はあるけど共有されない」と感じているなら、Atuin Desktopはその悩みに応えてくれるかもしれません。

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