OpenAIが開発したAIチャットボット「ChatGPT」が大きな話題を集めています。
自然な会話ができるだけでなく、専門的な質問にも的確な回答を返すことができることから、従来の検索システムにとっては、大きな脅威になる可能性があるといわれています。
GoogleやMicrosoftはこれに対抗し、ChatGPTスタイルの検索エンジンを提供する計画を示していますが、このような新しい検索システムは、従来のキーワード検索と比較して10倍以上コストが増加する可能性があるとの見積もりが行われていることがわかりました(Ars Technica)。
従来のWeb検索では、事前に構築したWebの巨大なインデックスを利用し、通常は1秒以下の短時間で検索結果を返すことができます。ChatGPTスタイルの検索エンジンでは、検索を行うたびに人間の脳をモデルにした巨大なニューラルネットワークを起動し、大量のテキストを生成し、事実情報を検索インデックスに問い合わせ、さらに双方向のやり取りを行うため、余分な処理が大量に必要となるのです。
余分な処理には多くのコストが必要となり、Reutersは、Alphabet会長のJohn Hennessy氏やアナリストの情報を元に「大規模言語モデルとして知られるAIとのやりとりは、おそらく標準的なキーワード検索の10倍以上のコストがかかる」「数十億ドルの追加コストに相当する」と報じています。
Googleの年間純利益600億ドルとされていますが、数十億ドルの追加コストをどのように捻出するかは、頭が痛い問題かもしれません。MicrosoftもBingチャットへの広告の提供や利用制限によってコスト増加を押さえる動きを見せています。