現在はMicrosoftが開発する「Visual Studio Code」のようなマルチプラットフォームで動作するテキストエディタが人気です。WindowsやmacOS、LinuxなどさまざまなOSで、同じアプリを使用できるのは魅力的ですが、Chromiumをベースとした「Electron」を使っている場合、パフォーマンスの低下や、RAMの使用量が増加するという問題が指摘されています。
全体的なコードのフットプリントが大きくなり、アニメーションの動作が遅くなったり、ウィンドウのサイズ変更にもラグが生じる場合があるなど、ネイティブアプリには存在しない、マルチプラットフォームアプリ特有の弱点が存在するのです。
本日紹介する「CodeEdit for macOS」は、スムーズに動き、システムリソースを無駄なく活用できるというmacOSのネイティブアプリの利点を開発者に提供すべく開発がすすめられている、オープンソースのテキストエディタです。
Appleの統合開発環境Xcodeは、ネイティブエクスペリエンスを提供していますが、X用途がAppleプラットフォーム向けのプロジェクトにのみに制限されています。CodeEdit for macOSは、Appleのプラットフォーム以外のプロジェクトでも活用できるエディタとなることを目的として開発が進められています。
Swift開発者Lukas Pistrol氏によって立ち上げられたプロジェクトで、まだダウンロード可能な実行ファイルは公開されていませんが、今後提供される予定です。
TextEdit + Xcode = CodeEdit
CodeEditは、ユーザーにIDEのような機能を提供しながら、軽量であることを目標としてします。無料のオープンソースでソフトで、コミュニティ主導でサポートや開発が進められる予定です。
プロジェクトの目標は、Appleによってデザインされ提供されているように感じられるアプリを開発することで、アプリケーションアイコンやネーミング戦略に至るまで、Appleのデザインスタンダードや開発パターンに忠実であることを目指しているそうです。
TextEditのように軽快なアプリケーションでありながら、Xcodeのようなエクスペリエンスを提供したいと開発理念が説明されています。
CodeEditの理想を具現化したコンセプトも公開されています。
軽量なプログラマ向けのテキストエディタは「VS Code」を初めとして強力なライバルが多数存在します。今後CodeEditが普及していくことができるのか注目を集めそうです。