第2回将棋電王戦最終局(第5局)が4月20日行われ、GPS将棋が三浦弘行八段に勝利しました(ニコ生、マイナビニュース、slashdot日本版、NHK、MSN産経、朝日新聞デジタル)。
GPS将棋は2012年の世界コンピューター将棋選手権で優勝した強豪ソフト。予定通り東大駒場の600台以上のコンピューターを接続して戦いました。
対する三浦弘行八段は和服だと負けるというジンクスを守ってか?スーツで登場。先手で矢倉に組み十分かと思われましたが、中盤からジリジリ差を広げられ、押し切られてしまいました。
第2回将棋電王戦の団体戦の結果はコンピューター側の3勝1敗1分。コンピューター側の勝ち越しとなりました。はたして第3回はあるのでしょうか…?
GPSはすでに名人を超えたか
三浦八段が選んだ戦型は脇システムと呼ばれ、三浦八段得意の戦法です。この戦法に組ませ、後手番から王手すらかけさせずに圧勝したGPS将棋の実力は凄まじいものがあります(GPSが新手を出したそうですが)。
三浦弘八段よりレーティング上位の棋士が存在することは確かですが(たとえば羽生三冠、渡辺竜王)、対局してここまで差がついたところを見たことがありません。相対的に考えると三浦八段に圧勝したGPS将棋が名人 or 竜王の実力を超えていても不思議ではないと思います。
GPS将棋には、コンピューターの弱点であるとされていた、序盤の駒組みにも隙がなく、人間側が「終盤までに大差をつける」余裕はまったくありませんでした、中盤、入玉模様の将棋にもちこむために無理をしたことを敗戦の原因とする声もありますが、これはやはりまともにやりあったら勝ち目が薄いとみた三浦八段の苦渋の選択だと思います(局後の会見時に何かいっていたような気がしますが聞き逃しました)。
着地点が難しい
第3回があるのかどうなのかまだよくわかりませんが、電王戦をどうするか難しい問題ですね。このまま将棋連盟が対局をしないとしてもソフトの実力は上がり続けるわけで…。
渡辺竜王は、「電王戦が創設されて、昨年は米長先生が負けた。今年は現役棋士が出るとは言え、自分のところに回ってくるのは当分は先だと思っていました。来年以降のことはもちろん何も決まっていませんが、その見解は甘過ぎたようです」としており、電王戦登場もありえるような雰囲気ですが、はたして?
一度はボナンザを退けた渡辺竜王なので、期待したいですね。