長い歴史を持つ多機能テキストエディタ「Emacs」。
高いカスタマイズ性が特徴ですが、設定ファイルの記述は複雑になりがちで、Emacs初心者にとっては高いハードルとなっています。本日紹介する「Emacs for You (Emfy) 」は、そのようなEmacs入門者の方に役立つ、小さくシンプルな.emacsファイルを提供するプロジェクトです。
Emacsの設定方法と、Emacsを使い始めるために必要な詳細な説明、Emacsサーバーを起動してファイルを編集するためのemという小さなコマンド等を提供しています。
以下使用方法を説明します。
Emacs for You (Emfy)こんな人向け
EmfyはEmacsの全くの初心者や、Doom EmacsやSpacemacsなどのスターターキットを進められたものの、バニラEmacsからゆっくりとカスタマイズしていきたいユーザーのためのものとされています。
ドキュメントは、Emacs環境のセットアップを素早く開始する方法をステップバイステップで説明し、.emacsとemの内容も一行ずつ解説しています。
プロジェクトでは以下の機能を提供する.emacsを提供します。
- いくつかの UI 要素を無効化し、クリーンで最小限のルック&フィールを提供。
- モード行に現在のカラム番号を表示。
- Wombatという名前のダークカラーテーマをロード。
- カーソル、検索結果、コメントをオレンジ色の濃淡で強調するようにカラーテーマをカスタマイズできる。
- ファイル検索とバッファ切り替えを効率的に行うIdoモードを有効化し、設定する。
- 行末の空白を明確に表示する。。
- バッファの末尾にある改行文字をはっきりと表示する。
- バッファの最後に改行がないことを明確に表示する。
- 文の終わりにはシングルスペースを使用する。
- インデントにはタブでなくスペースを使う。
- 一般的なコーディング規約に従ってインデントを設定する。
- 一致する括弧を強調表示する。
- 自動保存ファイルやバックアップファイルを別のディレクトリに移動し、作業ディレクトリを整頓。
- バックアップ作成中に元のファイルを移動しないようにする。
- Emacsの初回起動時に、設定されたパッケージを自動的にインストールする。
- Markdownファイルの編集に便利なMarkdownモードをインストールする。
- S式を効率的に編集するためのPareditをインストールし、設定する。
- 括弧のネストの深さによって色をつけるRainbow Delimitersをインストールし、設定する。
- ユーザー定義のカスタムコマンドとカスタムキーシーケンスの最小限の例を提供します。
- Emacsサーバを自動的に起動し、端末ユーザがEmacsクライアントを使って既存のEmacsのインスタンスでファイルを編集できるようにする。
さらに,このプロジェクトはemacsとemacsclientコマンドの薄いラッパーです「em」という名前の便利なコマンドを提供します。emの特徴は以下の通りです。
- 要求に応じて新しいEmacsのインスタンスを起動する.
- 既存の Emacs サーバが動作している場合、その中のファイルを開く。
- Emacsサーバを起動していない場合、自動的に新しいEmacsサーバを起動する。
Emacs for You (Emfy)の使用方法
Emfyを使用するにはまずEmacsをインストールします。以下の手順を実行します。
macOS+Hombrewの場合:
brew install --cask emacs
DebianベースのLinuxの場合:
sudo apt-get install emacs
次にホームディレクトリに.emacsを作成します。
curl -L https://github.com/susam/emfy/raw/main/.emacs >> ~/.emacs
emスクリプトを作成します。
curl -L https://github.com/susam/emfy/raw/main/em >> /tmp/em sudo mv /tmp/em /usr/local/bin/em chmod +x /usr/local/bin/em
Emacsを開始しまうs。
emacs
例えばmacOSでは以下のような画面が表示されます。
Emfyには以降、Emacsの基本的な使用方法から、設定の意味まで詳細な説明が掲載されています。
まとめ
Emacs for You (Emfy)は、シンプルで実用的な.emacsを提供するプロジェクトです。設定の意味も1行ずつ解説されているため、Emacs中級者や上級者の方でも参考になる部分がありそうです。