Git開発チームの濱野純氏は8月21日(現地時間)、分散型バージョン管理ツール「Git」の最新版「Git v2.42.0」をリリースしました(Phoronix)。
Gitでは数年前から、コミットハッシュでSHA-1の代わりにSHA-256をサポートするための実験的な取り組みが行われています。SHA-256にはポジトリのセキュリティが強化され、衝突の可能性が低くなるなどのメリットがあり、最終的にはSHA-256への移行が計画されていますが、今のところはSHA-1がデフォルトのままとなっています。
Git 2.42では、SHA-256リポジトリ使用時に表示されていた「THIS VARIABLE IS EXPERIMENTAL!」のような一部の警告メッセージが削除されています。これはSHA-256リポジトリに対する破壊的変更が今後行われる予定がないためです。メッセージは次のように変わっています。
変更前:
THIS OPTION IS EXPERIMENTAL! SHA-256 support is experimental and still in an early stage. A SHA-256 repository will in general not be able to share work with "regular" SHA-1 repositories. It should be assumed that, e.g., Git internal file formats in relation to SHA-256 repositories may change in backwards-incompatible ways. Only use`--object-format=sha256` for testing purposes.
このオプションは実験的なものです!SHA-256のサポートは実験的で、まだ初期段階です。SHA-256リポジトリは、一般的に「通常の」SHA-1リポジトリと作業を共有することはできません。たとえば、SHA-256リポジトリに関連するGitの内部ファイルフォーマットが、後方互換性のない方法で変更される可能性があることを想定しておく必要があります。テスト目的でのみ、--object-format=sha256` を使用してください。
変更後:
Note: At present, there is no interoperability between SHA-256 repositories and SHA-1 repositories.
Historically, we warned that SHA-256 repositories may later need backward incompatible changes when we introduce such interoperability features. Today, we only expect compatible changes. Furthermore, if such changes prove to be necessary, it can be expected that SHA-256 repositories created with today's Git will be usable by future versions of Git without data loss.
注:現在のところ、SHA-256リポジトリとSHA-1リポジトリの相互運用性はありません。
以前は、SHA-256リポジトリが後方互換性のない変更を必要とする可能性があることを警告していました。現在では、互換性のある変更のみを想定しています。さらに、そのような変更が必要であることが判明した場合、SHA-256リポジトリは、将来のバージョンのGitでもデータを失うことなく使用できることが期待されます。
その他、Windows関連の更新やOpenSSL 3+の調整、git var情報の出力範囲の拡大など細かな変更が多数行われています。
最新版はこちらからダウンロード可能です。
タイトル | Git | |
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公式サイト | https://git-scm.com/ | |
ソフトアンテナ | https://softantenna.com/softwares/6977-git | |
説明 | Linuxの開発者Linus Torvaldsによって開発された分散型のバージョン管理ツール。 |