GoogleのChromeブラウザは、多機能で高速なかわりに、システムリソースを大量に消費する傾向があることが知られていますが、それも過去のはなしとなるかもしれません。
Googleは3月11日、「Advanced memory management and more performance improvements in M89」と題したブログ記事を公開し、Mac版のChrome 89で、バックグラウンドタブのメモリ使用量を最大8%(一部のシステムでは1GB強に相当)縮小することに成功したことを明らかにしました(MacRumors)。
また、アクティブでないページに作用する「Tab Throttling」の導入によって、JavaScriptタイマーのウェイクアップを大幅に減らすことに成功したとのことです。バックグラウンドタブによってCPUが頻繁に呼び出されることがなくなり、ChromeのCPU使用率が最大5倍減少し、バッテリー持続時間が1.25時間増加し、ChromeのApple Energy Impactスコアは60%改善したそうです。
またWindowsおよびAndroid版では、より多くの領域で、高度なメモリアロケータを使用することで、メモリ使用量をさらに削減し、ブラウザの応答性を向上させています。Windowsでは、「ブラウザプロセス」で最大22%、「レンダラー」で8%、「GPU」で3%の大幅なメモリ削減を実現し、ブラウザ全体の応答性が最大9%向上したとのことです。
なおAppleは、macOS Big SurのSafariは 、「頻繁に訪れるウェブサイトの読み込みがChromeよりも平均で50%速い」と主張し、ChromeやFirefoxと比較して、Safariは最大1時間半長くビデオをストリーミングでき、1回の充電で最大1時間長くブラウジングを続けられるとしています。