OpenAIは8月7日、次世代AIモデル「GPT-5」を正式に発表しました。これまでのモデルを大きく凌駕し、思考力・安全性・実用性のすべてにおいて飛躍的な進化を遂げています。
GPT-5は、以下の3要素で構成される統合型システムです:
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高速応答モデル:日常的な質問に即答
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GPT-5 thinking:複雑な推論や専門的な問いに対応
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リアルタイムルーター:質問の性質に応じて最適なモデルを自動選択
この構成により、ユーザーは「速さ」と「深さ」の両方を享受できます。
実用面での進化
コーディングでは1プロンプトでWebアプリやゲームを構築可能になり、UI設計・デバッグ・フロントエンド生成が大幅に進化しています。自律的なツールの使用と、指示遵守能力も向上しています。
文章生成では、文学的な深みとリズムを備えた文章を生成することができるようになり、詩・ストーリー・レポート・メールなど、幅広い分野へ対応しています。GPT-4oとの比較で、より感情に訴える表現力を実現しています。
ヘルスケアの分野でも、HealthBenchで最高スコアを記録し、ユーザーの知識・地域に応じた応答の調整が可能となっています。医師との対話の準備や検査への理解を支援します。
安全性と誠実性の向上
生成AIの大きな課題であるハルシネーション率を最大70%削減し、拒否ではなく安全な代替回答を提示する「セーフコンプリーション」と呼ばれる新しい安全性学習手法を導入しています。
一部のユーザーから不評だった過度な同調や、絵文字の使用を減らし、より思慮深い応答を行うようになっています。これにより、AIと話しているというより、博士号レベルの知性を備えた親しい友人と会話しているように感じられる会話が実現します。
利用方法と提供範囲
GPT-5は、ChatGPTの新しいデフォルトモデルとして提供が開始されていて、Plus/Pro/Team/無料ユーザーが利用可能です。ただし無料ユーザーは、制限を超えるとGPT-5 miniに自動切替が行われます。
発表された通りの性能を発揮するならば、GPT-5は単なる「賢いAI」ではなく、ユーザーの思考を補完し、現実世界の課題に寄り添う知的パートナーとして進化したということになります。今後のAI活用シーンでも、GPT-5が話題の中心となっていきそうです。