Appleが開発した独自のプロセッサであるAppleシリコンは、第一世代の「M1」から圧倒的なパフォーマンスの高さで人気を集めています。PC向けCPUのシェアでナンバーワンの地位を維持しているIntelの対応が注目を集めているなか、テックサイトTom's Hardwareに、Intelの第11世代CPUとM1を比較するベンチマーク結果が公開されたことがわかりました(9to5Mac)。
Intelはプロセッサの生産性に注目し、第11世代のTiger LakeプロセッサとAppleのM1で、ウェブブラウザやMicrosoft Officeを使用する際の効率を比較しています。
Intelのベンチマーク結果によると、それぞれのプロセッサでネイティブに動作するMicrosoft Officeを使い、PDFの書き出し操作を実行した場合、第11世代プロセッサはM1に比較し最大2.3倍高速に動作するとのこと。ネイティブ版のChromeを比較すると、第11世代プロセッサが全体で30%高速で、オンラインフォトエンハンスメントのサブテストでは3倍近く高速という結果がでているようです。
また「実世界でのバッテリー寿命テスト」を実施し、M1 MacBook Airと第11世代のCore i7プロセッサを搭載したAcer Swift 5を比較しています。タブを開きNetflixのストリームを再生できる時間を測定したところ、ほぼ同じ10時間のバッテリー持続時間だったという結果が示されています。
今回の結果に関しSix ColorsのAppleコラムニストJason Snell氏は、Intelのベンチマークが「Mアンフレンドリー」だと主張しています。
Inconsistent test platforms, shifting arguments, omitted data, and the not-so-faint whiff of desperation. Today’s M1 processor is a low-end chip for low-end systems, so Intel only has a small window to compare itself favorably to these systems before higher-end Apple silicon Macs ship and make its job that much harder.
一貫性のないテストプラットフォーム、論点をずらした議論、省略されたデータ、そして自暴自棄になっているかのようなかすかな匂い。M1プロセッサはローエンドシステム向けのローエンドチップなので、上位のAppleシリコンMacが出荷され、Intelの仕事が困難になる前に有利な立場で比較できるのは、ほんのわずかなウインドウしかありません。
例えばバッテリー持続時間のテストでは、パフォーマンステストで用いられたのと異なるCore i7プロセッサが使用されており、テストに一貫性がないのは事実のようです。
Intelのスライドの全文はTom's Hardwareで確認可能です。