Phoronixが、Intelの最新プロセッサ「Core i9 12900K "Alder Lake"」を用いたベンチマークテストを実施し、今のところWindows 11の方がLinuxよりも優れたパフォーマンスを発揮していることが明らかとなりました(Phoronix)。
Windows 11は全体的に高速だったのに対し、LinuxはThread Directorの動作に問題があり、PコアとEコアの混在によって実行時のばらつきが非常に大きくなっていたとのこと。
テストはIntel Core i9 12900Kを純正速度で使用し、以下のような環境を比較しています。
- Microsoft Windows 11 Pro: 11月8日時点でのすべてのアップデートと最新ドライバーを適用した環境。
- Clear Linux 35250: Intel独自のLinuxディストリビューション。通常はx86_64ハードウェアに対して最も最適化されたLinuxディストリビューションとして、パフォーマンスの可能性を示している。
- Fedora Workstation 35: 安定したアップデートを含む、新しいFedora 35リリース。
- Ubuntu 21.10: 最近リリースされたUbuntu 21.10。
- Ubuntu 21.10 + Linux 5.15: Linux5.13からLinux 5.15安定版へ変更。
- Ubuntu 21.10 + Linux 5.16 Git: さらに新しいLinux 5.16 Gitを使用。ただしLinux 5.16にもIntelのLinux用のThread Directorパッチや、その他のAlder Lake用の最適化パッチは取り込まれていない。
これら環境を使い多数のベンチマークが行われています。
例えば以下のような結果がでています。
▲ワークステーション用可視化ソフトウェア「Paraview」のテストでは、通常はLinuxがリードしていますが、Alder Lakeプロセッサを使ったテストでは、Windows 11がリードしています。
▲Zstd圧縮ベンチマークでは、Windows 11がリードしている一方で、Linuxディストリビューションは結果のばらつきが大きくなっています。
▲Windows 11は、いくつかのCPUベースのレンダリングベンチマークでも勝利しています。
前世代のCore i9 11900K Rocket LakeではLinuxがWindows 11に大きくリードしていましたが、Alder Lakeでは完全にWindows 11が有利な状況になっている模様。今後Intelがハイブリッド・アーキテクチャ用のLinuxパッチを提供するまで、現在の優位が継続すると見込まれています。
Alder Lake対応パッチが現在のLinux 5.16カーネルに取り込まれる可能性は少なく、メインラインカーネルに取り込まれるの早くてもLinux 5.17になると予想されています。