先日iPhone 6sの処理速度が低下しているのは、バッテリー劣化によるシャットダウンを防ぐためAppleが意図的に処理速度を抑えているのではないかという情報をお伝えしました。
今回この問題に対しGeekbenchを開発するPrimate Labsの創業者のJohn Poole氏は、iPhoneのGeekbench 4スコアがiOS 10.2、iOS 10.2.1、iOS 11.2でどのように変わったのかを比較できるカーネル密度推定グラフを公開しています(MacRumors)。
以下はiPhone 6sのiOS 10.2.0とiOS 10.2.1のスコアを比較できるグラフです。
iOS 10.2.0ではピークが一つに固まっているのに対し、iOS 10.2.1では中央付近やより低いスコア周辺にいくつかの小さなピークが存在していることがわかります。iOS 10.2.1はAppleが「予期せぬシャットダウンを解決した」とされるバージョンですが、このバージョンをインストールすることによりパフォーマンスが劣化したiPhone 6sが存在することは確かなようです。またiOS 11.2.0ではこの傾向がさらに顕著になっています。
同様な症状はiPhone 6sだけではなく、iPhone 7でも発生しています。
こちらはiOS 11.1.2まではほぼ同じ形のグラフだったのが、iOS 11.2.0でピークがばらけはじめている(=パフォーマンスが低下したデバイスが増えてきていることがわかります。
John Poole氏は「突然のシャットダウン」の修正の影響によってパフォーマンスが低下する場合、ユーザーは何の通知も受けることができず、バッテリーの劣化ではなく、CPUのパフォーマンスが原因で処理速度が遅くなっていると考えるだろうと説明し、結果として製品の寿命を意図的に短縮する「計画的陳腐化」につながると警告を発しています。