UNIX互換環境を搭載しUNIX/Linuxで利用できる各種コマンドを同じ感覚で利用することができるmacOS。Windowsにはない大きな魅力となっていますが、Mac固有の機能を操作する統一的なコマンドは特に提供されていませんでした。
本日紹介する「m-cli」はこの不便さを解消するシェルスクリプト製のツールです。
Mac固有の機能を制御するための各種機能をラップして分かりやすい形式で提供するもので、これ一つインストールしておけば、Macの管理業務が大幅に効率化されることが期待できます。
以下詳細を説明します。
目次
インストール
インストールは以下のコマンドで行います。
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/rgcr/m-cli/master/install.sh | sh
mコマンドは/usr/local/m-cliにインストールされます。
.zshrcや.bashrcにパスを追加しておきましょう。
export PATH=$PATH:/usr/local/m-cli
実行例です。
実行方法
大抵のコマンドは「m コマンド サブコマンド」の形式で実行します。
単に「m」と打ち込めばコマンドの一覧が表示されます。「m コマンド」と入力するとそのコマンドの使用方法が表示されます。
具体的なコマンド一覧は以下の通りです:
コマンド | 説明 |
---|---|
battery | バッテリーの状態を表示 |
bluetooth | Bluetoothの状態を表示や有効・無効の切り替え |
disk | ディスクに関する各種情報を表示。修復・フォーマット機能等も提供 |
dir | ディレクトリのツリー表示や空フォルダの削除 |
finder | 隠しファイルの表示・非表示の切り替え |
firewall | ファイアウォールの状態表示や有効・無効の切り替え |
gatekeeper | GateKeeper機能の状態表示や有効・無効の切り替え |
hostname | ホスト名の取得や設定 |
info | Mac OS Xのバージョン情報を表示 |
lock | スクリーンロックを発動 |
ntp | ntpの状態表示や有効・無効の切り替え |
network | ネットワークインターフェイスの一覧表示や操作 |
nosleep | スリープの抑制 |
restart | 再起動を実行 |
saveboot | セーフブートを実行 |
screensaver | スクリーンセーバーの制御 |
service | サービスの一覧や制御 |
shutdown | シャットダウンを実行 |
sleep | スリープを実行 |
timezone | タイムゾーンの表示や変更 |
trash | ゴミ箱情報の表示や空にする |
user | ユーザー一覧や作成 |
volume | 音量設定 |
wallpaper | 壁紙の設定 |
wifi | WiFi情報の取得や制御 |
例えば「m gatekeeper」と入力するとヘルプが表示されますので、それぞれのコマンドを細部まで覚える必要はありません。
まとめ
m-cliをインストールしておけばMacの管理をコマンドラインから簡単に実行することができます。ヘルプもきっちり作られているため、個々のコマンドの使い方を覚えておく必要もありません。
公式サイトによるとm-cliは以前紹介したMac CLIにインスパイアされて作成されたもののようです。Mac CLIはRuby gemsやHomebrew、npm系の操作まで取り込んでいましたが、そこまで必要ないという方はm-cliの方がおすすめです。