Appleが先日販売を開始した15インチのMacBook Pro 2018は、最高で6コアのCore i9プロセッサを搭載することができますが、CPUに負荷がかかる処理を行うと冷却処理が追いつかず、サーマルスロットリングとよばれるCPUの故障防止機能によってCPUの処理能力が抑制されてしまうのではないかとの情報が流れてします。
今回9to5Macはこの情報を検証すべく、Final Cut Pro Xを用い、動画のエクスポートに必要な時間を計測することで、Core i9モデルの能力を検証しています。
検証に用いられたMacBook Pro 2018は、ベースクロック2.9GHz、Turbo Boost 4.8GHz、6コア、TDP 45WのCore i9搭載モデルとなっており、以下のようなテストを行っています。
- パナソニックGH5で60フレームの4Kビデオを4分撮影
- AppleのビルトインFinal Cutプリセットでエクスポート実行「Web Hosting – H.264 Faster Encode – 3840 x 2160」
- テストは毎回同じ条件
- 全てのアプリは終了して実施
- 電源につないで実施(冷凍庫テスト以外)
6コアテスト
9to5Macは最初にCore i9モデルのデフォルトである6コア全てを使用したテストを実施しています。結果5分30秒でエクスポートが完了しました。
Intel Power Gadgetのログデータによると、ところどころCPUの周波数が下がった部分があることがわかります。周波数が下がった原因は当初サーマルスロットリングによるものではないかと考えられていましたが、後からCPUのアイドル状態ではないかとも指摘されています。
4コアテスト
次はXcodeのInstrumentsを利用し4コアに制限した状態でテストが実施されています。さきほどと同じ条件でエクスポートを実行したところ5分12秒でエクスポートが完了し、6コアと比較すると18秒早くなっています。
冷凍庫テスト
また現実的ではありませんが、MacBook Proを冷凍庫に入れ6コアでテストした結果も掲載されています。この場合電源には接続していませんが4分51秒と、通常状態の4コアテストより21秒、6コアテストより39秒早くなっています。
今回の結果に関し、Geek Bench 4を開発するPrimate LabsのJohn Poole氏は、CPUが800MHzになっているのはスロットリングではなくアイドル状態になっているためで、テストはCPUではなくオンチップのハードウェアエンコーダーを使用しているとする、テストの正当性を疑問視するツイートを行っています。
If the CPU is at 800MHz, the CPU isn’t throttling, the CPU is idle. The test isn’t using the CPU but rather the on-chip hardware encoder. https://t.co/4kXB2TXsvK
— John Poole (@jfpoole) 2018年7月19日
一方これに対し、9to5Macは熱問題は現存し、6コアよりも4コアのほうが高速で、さらに冷凍庫に入れたら最も速いという結果は事実だとしています。