Googleは11月16日(現地時間)、「Resuming the transition to Manifest V3(Manifest V3への移行の再開)」と題したブログ記事を公開し、一時停止していたManifest V3への移行を再開することを明らかにしました。
Manifest V2の廃止計画は、移行によって発生する問題を解決するために一時停止されていましたが、開発者からのフィードバックを受け、Manifest V3でギャップをうめるための変更が行われたことで、準備が整ったとのこと。
Manifest V3でぇあ以下のような変更が行われています。
- オーディオ再生のような様々なシナリオでエクステンションが使用するDOMアクセスを提供するOffscreen Documentsの導入。
- エクステンションAPIを呼び出すエクステンションや、長期間にわたってイベントを受信するエクステンションに対して、サービスワーカーのライフタイムをより適切に制御できるようにした。
- 新しいユーザスクリプトAPIを追加し、ユーザスクリプトマネージャエクステンションがユーザスクリプトをより安全に実行できるようにした。
- declarativeNetRequest APIにおいて、静的ルールセットと動的ルールに対してより寛大な制限を提供することで、コンテンツフィルタリングサポートを改善した。
これらの変更によりManifest V3をサポートする拡張が大幅に増加し、当初、実装が困難だと言われていた、コンテンツブロック拡張機能に関しても移行に関する懸念への対処が行われたとされています。
廃止スケジュール
Manifest V2拡張機能の無効化は、2024年6月にリリースされるプレ安定版Chrome(Dev、Canary、Beta)で始まります。無効化が行われたブラウザでは、ChromeウェブストアからManifest V2拡張機能をインストールできなくなり、2024年6月移行は、Manifest V2エクステンションがChromeウェブストアのFeaturedバッジを現在持っている場合、そのバッジは剥奪されます。
変更の展開中はフィードバックの監視が行われ、安定版Chromeへ展開を拡大するまでに1ヶ月は必要だと見込まれています。
ExtensionManifestV2Availabilityポリシーを使用して、組織内でManifest V2拡張を使用している場合、これらのManifest V2拡張機能は、2025年6月までさらに1年間猶予が与えられます。ポリシーが有効なブラウザではその時点まで非推奨化の影響を受けません。
拡張機能の開発者に対しては2024年6月までに、Manifest V3への移行を完了することが強く推奨されています。